化学基礎|酸化還元(2)酸化剤と還元剤
酸化剤は電子を受け取り、還元剤は電子を出す
相手を酸化する物質が酸化剤、相手を還元する物質が還元剤です。電子のやりとりで考えると、酸化剤が受け取る電子と還元剤が出す電子の数は必ず等しくなり、反応する量が計算できます。予想してから5つのステップで確かめよう。
ことばの準備
さきに知っておくこと
- 酸化剤相手を酸化する物質。自分は還元される(電子を受け取る)
- 還元剤相手を還元する物質。自分は酸化される(電子を出す)
- 半反応式酸化剤・還元剤の電子のやりとりを、e⁻ を使って書いた式
- e⁻電子を表す記号
- 硫酸酸性硫酸を加えて酸性にした水溶液。KMnO₄ はこの中で Mn²⁺ になる
- 酸化還元滴定酸化剤と還元剤の反応を使って、濃度を求める滴定
ステップ1
H₂ を酸化しているのは?
予想:CuO + H₂ → Cu + H₂O。水素 H₂ を酸化している物質(酸化剤)は?
青い点=電子、青い輪=電子を受け取る場所。赤紫=KMnO₄(MnO₄⁻)の色。
予想を選ぶと、ここで条件を変えられるようになります。
ためしてみよう
ここが大事
ステップのまとめ
酸化剤と還元剤のまとめ
| 酸化剤 | 還元剤 | |
|---|---|---|
| はたらき | 相手を酸化する | 相手を還元する |
| 自分は | 還元される(電子を受け取る) | 酸化される(電子を出す) |
| 例 | MnO₄⁻(5e⁻)・Cr₂O₇²⁻(6e⁻)・H₂O₂・Cl₂ | Fe²⁺(1e⁻)・(COOH)₂(2e⁻)・H₂S・金属 |
| 量的関係 | 受け取る e⁻ の mol = 出す e⁻ の mol | |
この図は理解のためのモデルです。電子の数は半反応式に合わせています。
公式
この単元の式
| 名前 | 式 | ことばで言うと・単位 |
|---|---|---|
| MnO₄⁻ の半反応式 | MnO₄⁻ + 8H⁺ + 5e⁻ → Mn²⁺ + 4H₂O | 電子を 5 個受け取るMn +7 → +2 |
| Fe²⁺ の半反応式 | Fe²⁺ → Fe³⁺ + e⁻ | 電子を 1 個出す(COOH)₂ → 2CO₂ + 2H⁺ + 2e⁻ は 2 個 |
| 量的関係 | 酸化剤の mol × 受け取る e⁻ = 還元剤の mol × 出す e⁻ | 電子の数をそろえるMnO₄⁻ 1 mol ↔ Fe²⁺ 5 mol |
半反応式どうしの電子の数をそろえて足すと、イオン反応式ができる(e⁻ が消える)。
重要語句
この単元でおさえること
確認問題へ問題ページへ →実験道具:酸化と還元酸素をうばう物質・うばわれる物質を見分けよう →実験のあとに読む
なぜ「電子の数」をそろえるのか
何を比べる?
酸化銅と水素の役割、酸化剤・還元剤の半反応式と電子の数、MnO₄⁻ と Fe²⁺・シュウ酸の電子の受けわたし、KMnO₄ を落としたときの色、過酸化水素と 2 つの相手の反応を比べます。
結果をどう考える?
電子は消えたり新しく生まれたりしません。還元剤が出した電子は、すべて酸化剤が受け取ります。だから、酸化剤が受け取る電子の物質量と、還元剤が出す電子の物質量は必ず等しくなります。この関係を使うと、MnO₄⁻ 1 mol と反応する Fe²⁺ が 5 mol であることが分かります。
まちがえやすい点・モデルの条件
「H₂O₂ はいつも酸化剤」はまちがいです。KMnO₄ のような強い酸化剤が相手のときは、H₂O₂ は電子を出して O₂ になる還元剤としてはたらきます。
制作:現役の理科教員 / 制作の考え方