物理基礎|電気(4)電流と磁場
電流は磁場をつくり、磁場の変化は電流をつくる
電流のまわりには磁場ができ、磁場の中の電流は力を受け、磁場が変化すると電流が流れます。モーターと発電機のしくみです。中学のふり返りから始めて、予想してから5つのステップで確かめよう。
ことばの準備
さきに知っておくこと
- 磁場(磁界)磁石の力がはたらく空間。向きは方位磁針の N 極がさす向き。中学では「磁界」
- 磁力線磁場の向きを表す線。N 極から出て S 極に入る
- 右ねじの法則右ねじの進む向きを電流に合わせると、ねじを回す向きが磁場の向き
- ⊙ と ⊗⊙ は紙の裏から表へ(手前向き)、⊗ は表から裏へ(奥向き)の向き
- 電磁誘導コイルを通る磁場が変化すると、電流が流れる現象
- 誘導電流電磁誘導で流れる電流
ステップ1
まっすぐな電流のまわりの磁場は?
予想:まっすぐな導線に、紙の裏から表へ電流を流した(⊙)。まわりに置いた方位磁針の N 極は、上から見てどう並ぶ?
緑=磁場(磁力線)、赤=力・N 極、青=S 極。⊙ は紙の裏から表、⊗ は表から裏に向かう電流。
予想を選ぶと、ここで条件を変えられるようになります。
ためしてみよう
ここが大事
ステップのまとめ
電流と磁場のまとめ
| 現象 | ことばで言うと | 使われている所 |
|---|---|---|
| 電流 → 磁場 | 電流のまわりに同心円の磁場(右ねじの法則)。コイルは電磁石になる | 電磁石・スピーカー |
| 電流が磁場から受ける力 | 電流にも磁場にも垂直な向きの力(フレミングの左手) | モーター |
| 電磁誘導 | コイルを通る磁場が変化すると電流が流れる。速い変化ほど大きい | 発電機・IH 調理器 |
| 注意 | 磁場が一定(磁石が止まっている)なら誘導電流は流れない |
この図は理解のためのモデルです。方位磁針への地球の磁場の影響は、電流を流したあとは考えていません。
公式
この単元の式
| 名前 | 式 | ことばで言うと・単位 |
|---|---|---|
| 右ねじの法則 | ねじの進む向き = 電流 | 回す向き = 磁場の向きまっすぐな電流にもコイルにも使える |
| フレミングの左手 | 中指 = 電流、人さし指 = 磁場、親指 = 力 | 電・磁・力(でん・じ・りょく)3 本を直角に開く。モーターの力の向き |
| 電磁誘導 | 磁場の変化 → 誘導電流 | 変化が速いほど大きい電流コイルの巻き数を増やしても大きくなる |
向きの法則は、図に「電流」「磁場」を書きこんでから手や右ねじで確かめる。式で覚えるより、指で確かめる方が確実。
重要語句
この単元でおさえること
確認問題へ問題ページへ →実験道具:磁石と電磁石のまわり電流や磁石のまわりの磁場を、自由に調べよう →実験のあとに読む
なぜ発電機は「回し続ける」必要があるのか
何を比べる?
電流の向きを変えたときの磁場、巻き数を変えたときの電磁石の強さ、電流を変えたときの力、磁石を動かす速さと検流計のふれ、止まった磁石と検流計を比べます。
結果をどう考える?
電磁誘導で電流が流れるのは、コイルを通る磁場が変化しているときだけです。発電機は、磁石やコイルを回し続けて磁場を変化させ続けることで、電流を作り続けています。止まると変化がなくなり、電流も止まります。モーター(電流 → 力)と発電機(動き → 電流)は、逆のはたらきをしています。
まちがえやすい点・モデルの条件
「強い磁石を近くに置いておけば電流が流れる」はまちがいです。電磁誘導に必要なのは磁場の「強さ」ではなく「変化」です。
制作:現役の理科教員 / 制作の考え方