物理基礎|波(1)波の性質
進むのは「振動」で、ロープは進まない
波は、振動が次々と伝わっていく現象です。ロープや空気(媒質)はその場で振動するだけで、進みません。中学のふり返りから始めて、波を表すことば・v = fλ・横波と縦波・まちがえやすい点まで、予想してから5つのステップで確かめよう。
ことばの準備
さきに知っておくこと
- 媒質波を伝えるもの(ロープ・水・空気など)。その場で振動するだけで、波と一緒には進まない
- 波長 λ(ラムダ)1 つの波の長さ。山からとなりの山まで(谷から谷までも同じ)。単位 m
- 振幅 Aつりあいの位置からの最大のずれ(山の高さ)。山から谷までではない
- 周期 T媒質が 1 回振動するのにかかる時間。単位 s
- 振動数 f1 秒間に振動する回数。単位 Hz(ヘルツ)。f = 1/T
- 横波・縦波振動の向きが、進む向きと垂直なら横波、同じ向きなら縦波
ステップ1
波が進むとき、ロープはどう動く?
予想:ロープの端を上下に振ると、波が右へ進んでいく。ロープにつけた目印は、どう動く?
青=波、赤=媒質につけた目印、緑=1 秒で進んだ距離。図は見やすいようにゆっくり再生。
予想を選ぶと、ここで条件を変えられるようになります。
ためしてみよう
ここが大事
ステップのまとめ
波の性質のまとめ
| ことば・式 | ことばで言うと |
|---|---|
| 波と媒質 | 進むのは振動(波の形)。媒質はその場で振動するだけ |
| 波長 λ・振幅 A | 1 つの波の長さ・つりあいの位置からの最大のずれ |
| 周期 T・振動数 f | 1 回振動する時間・1 秒間の振動回数。f = 1/T |
| v = fλ | 速さ = 1 秒に出る波の数 × 1 個の長さ |
| 横波・縦波 | 振動が進む向きと垂直 = 横波(ロープ・光)、同じ向き = 縦波(音) |
| 注意 | 速さは媒質で決まる。振動数を変えると波長が変わる |
この図は理解のためのモデルです。波の減衰は考えず、速い波は見やすいようにゆっくり再生しています。
公式
この単元の式
| 名前 | 式 | ことばで言うと・単位 |
|---|---|---|
| 波の速さ | v = fλ | 速さ = 振動数 × 波長1 秒に f 個の波が出て、1 個の長さが λ。単位 m/s |
| 周期と振動数 | f = 1 / T | 振動数 = 1 ÷ 周期T = 0.5 s なら f = 2 Hz |
| 速さと周期 | v = λ / T | 速さ = 波長 ÷ 周期1 周期の間に 1 波長進む。v = fλ と同じ |
波の速さ v は媒質で決まる。振動数 f を変えると、v ではなく波長 λ が変わる(λ = v / f)。
重要語句
この単元でおさえること
確認問題へ問題ページへ →実験道具:モノコードで音の高さと大きさ弦の振動と音の関係を、自由に調べよう →実験のあとに読む
なぜ「波」でエネルギーは運ばれるのに、物は運ばれないのか
何を比べる?
振動数を変えたときの目印の動き、波長を変えたときの波の形、振動数を変えたときの波の速さと波長、横波と縦波の粒の動きを比べます。
結果をどう考える?
ロープの波では、となりの部分を引っぱり上げる・引っぱり下げる、という「振動の受けわたし」が次々と起こります。だから振動(とそのエネルギー)は遠くまで伝わりますが、ロープの各部分はその場で動くだけです。波の速さは「となりに伝わる速さ」なので媒質で決まり、手の振り方では変わりません。
まちがえやすい点・モデルの条件
「速く振ると波も速く進む」はまちがいです。速く振ると、1 秒に出る波の数(振動数)が増え、その分 1 個の波の長さ(波長)が短くなります。速さ v = fλ は同じままです。
制作:現役の理科教員 / 制作の考え方