物理基礎|波(2)重ね合わせと定常波
波は重なっても通り抜け、重なった所は「足し算」
2 つの波が出会うと、重なった所の高さは足し算になり、通り過ぎたあとは元のまま。反射した波と重なると、進まない「定常波」ができます。予想してから5つのステップで確かめよう。
ことばの準備
さきに知っておくこと
- 変位つりあいの位置からのずれ。山はプラス、谷はマイナス
- 重ね合わせ2 つの波が同じ場所にあるとき、変位を足し合わせること
- 固定端・自由端ロープの端が動けない(壁に固定)か、自由に動ける(輪でつるす)か
- 反転山が谷に、谷が山になること(上下がひっくり返る)
- 定常波(ていじょうは)進まずにその場で振動する波。反対向きの 2 つの波の重ね合わせでできる
- 腹と節定常波で、大きく振れる所が腹、全く動かない所が節
ステップ1
2 つの波が出会うと?
予想:ロープの両端から、山を 1 つずつ送った。2 つの山が出会うと、どうなる?
点線=それぞれの波、太線=実際のロープの形(足したもの)。緑の点=節、黄の線=腹。
予想を選ぶと、ここで条件を変えられるようになります。
ためしてみよう
ここが大事
ステップのまとめ
重ね合わせと定常波のまとめ
| ことば | ことばで言うと |
|---|---|
| 波の独立性 | 2 つの波は重なっても互いに影響せず、通り抜ける |
| 重ね合わせの原理 | 重なった所の変位 = それぞれの変位の和(谷はマイナス) |
| 固定端の反射 | 山は谷になってもどる(反転)。端は節 |
| 自由端の反射 | 山は山のままもどる。端は腹 |
| 定常波 | 反対向きの同じ波の重ね合わせ。進まず、腹と節が交互に並ぶ |
| 節の間隔 | λ/2(波長の半分)。腹から節は λ/4 |
この図は理解のためのモデルです。波の減衰は考えず、反射は端で完全に起こるとしています。
公式
この単元の式
| 名前 | 式 | ことばで言うと・単位 |
|---|---|---|
| 重ね合わせの原理 | y = y1 + y2 | 重なった所の変位 = 変位の和谷(マイナス)なら引き算になる |
| 節の間隔 | λ / 2 | 節と節の間隔 = 波長の半分腹と腹も λ/2。腹から節は λ/4 |
| 波長の求め方 | λ = 2 × (節の間隔) | 波長 = 節の間隔 × 2定常波の図から波長を読むときに使う |
定常波の図では、「腹と腹の間が 1 つの波」ではない。腹 2 つ分(節 3 つ分)で 1 波長。
重要語句
この単元でおさえること
確認問題へ問題ページへ →実験道具:モノコードで音の高さと大きさ弦にできる定常波と音の高さを、自由に調べよう →実験のあとに読む
なぜ波は「ぶつかっても はね返らない」のか
何を比べる?
左の波を山にしたときと谷にしたときの重なり、2 つ目の山の高さを変えたときの重なった高さ、固定端と自由端の反射、波長を変えたときの節の間隔を比べます。
結果をどう考える?
波は物ではなく「振動の伝わり」なので、同じ場所に 2 つの振動が同時に起こっても、それぞれ独立に伝わり続けます。重なっている間だけ、媒質の変位は 2 つの和になります。反射した波と進んでくる波が重なると、足し算の結果がいつも 0 になる場所(節)と、最大になる場所(腹)が固定され、進まない定常波になります。
まちがえやすい点・モデルの条件
定常波の節の間隔を「波長」と読んでしまうまちがいが多いです。節の間隔は λ/2。弦や気柱の問題では、図から波長を読むときに「節 3 つ分(腹 2 つ分)で 1 波長」と数えます。
制作:現役の理科教員 / 制作の考え方