生物基礎|免疫(2)獲得免疫とその応用
獲得免疫は特定の相手をねらい、一度出会った相手を記憶する
自然免疫で防ぎきれない病原体には、リンパ球(T 細胞・B 細胞)がはたらく獲得免疫がはたらきます。特定の相手(抗原)だけをねらい、一度出会った相手を記憶するのが特徴です。予想してから5つのステップで確かめよう。
ことばの準備
さきに知っておくこと
- 獲得免疫特定の抗原をねらい、記憶する免疫(適応免疫)
- 抗原免疫が反応する相手の目じるし
- 抗体B 細胞由来の抗体産生細胞がつくる、抗原と結合するタンパク質
- ヘルパー T 細胞抗原提示を受け、B 細胞やキラー T 細胞を活性化する
- 記憶細胞抗原を記憶して長く残る T 細胞・B 細胞
- 二次応答2 回目の侵入のとき、速く強く起こる免疫反応
ステップ1
自然免疫と獲得免疫をつなぐ細胞は?
予想:病原体を食べたあと、その情報を T 細胞に伝えて獲得免疫を始めさせる細胞は?
Y 字の形=抗体、緑の丸=抗原、六角形=ウイルス。細胞は記号で表しています。
予想を選ぶと、ここで条件を変えられるようになります。
ためしてみよう
ここが大事
ステップのまとめ
獲得免疫のまとめ
| しくみ | はたらく細胞 | 攻撃のしかた |
|---|---|---|
| 抗原提示 | 樹状細胞 → ヘルパー T 細胞 | 抗原の情報を伝える |
| 体液性免疫 | B 細胞 → 抗体産生細胞 | 抗体が抗原と結合(抗原抗体反応) |
| 細胞性免疫 | キラー T 細胞 | 感染細胞を直接こわす |
| 免疫記憶 | 記憶細胞 | 2 回目は速く強い(二次応答) |
この図は理解のためのモデルです。グラフの値は形の目安です。
公式
この単元の式
| 名前 | 式 | ことばで言うと・単位 |
|---|---|---|
| 体液性免疫 | 樹状細胞 → ヘルパー T → B 細胞 → 抗体 | 抗体で攻撃細胞の外の抗原にはたらく |
| 細胞性免疫 | 樹状細胞 → ヘルパー T → キラー T | 細胞ごと攻撃感染細胞・がん細胞・移植片 |
| 二次応答 | 記憶細胞 → すばやく大量に | 2 度目は強いワクチンはこれを利用する |
HIV はヘルパー T 細胞に感染してこわすので、体液性・細胞性の両方の免疫がはたらかなくなる(エイズ)。
重要語句
この単元でおさえること
確認問題へ問題ページへ →実験道具:心臓の弁と血液の流れ抗体やリンパ球を運ぶ血液の流れを見よう →実験のあとに読む
なぜ同じ病気に 2 度かかりにくいのか
何を比べる?
樹状細胞と T 細胞、B 細胞と抗体、キラー T 細胞と抗体、1 回目と 2 回目の抗体の量、ワクチンと血清療法を比べます。
結果をどう考える?
1 回目に病原体が入ると、それに合う T 細胞や B 細胞が選ばれて増え、抗体ができるまでに 1 週間ほどかかります。このとき一部が記憶細胞として長く残ります。同じ病原体が 2 回目に入ると、記憶細胞がすぐに増えて大量の抗体をつくるので、症状が出る前に病原体を取りのぞけます。
まちがえやすい点・モデルの条件
「ワクチンは、体に入った病原体を殺す薬」はまちがいです。ワクチンは記憶細胞をつくらせて予防するもので、抗体そのものを注射するのは血清療法です。
制作:現役の理科教員 / 制作の考え方