生物基礎|生物の多様性と生態系(1)植生と遷移
植生は、光をめぐる競争で移り変わり、極相へ向かう
ある場所に生えている植物の集まりを植生といいます。植生は、光や土の条件が変わるにつれて長い年月をかけて移り変わります(遷移)。その決め手の 1 つは、光をめぐる競争です。予想してから5つのステップで確かめよう。
ことばの準備
さきに知っておくこと
- 植生ある場所に生えている植物の集まり
- 優占種植生の中でいちばん目立つ(量が多い)種
- 遷移植生が時間とともに移り変わること
- 極相遷移の最後の、安定した状態(クライマックス)
- 陽樹・陰樹強い光で育つ木・弱い光でも育つ木
- ギャップ倒木などで森林にできた明るい空間
ステップ1
森の中が暗いのは?
予想:晴れた日でも、森林の地面(林床)が暗いのはなぜ?
黄色の棒=届く光の量。明るい緑=陽樹、こい緑=陰樹。
予想を選ぶと、ここで条件を変えられるようになります。
ためしてみよう
ここが大事
ステップのまとめ
植生と遷移のまとめ
| ことば | ことばで言うと |
|---|---|
| 階層構造 | 森林の高木層・亜高木層・低木層・草本層。林床の光は数 % |
| 一次遷移 | 裸地 → 荒原 → 草原 → 低木林 → 陽樹林 → 混交林 → 陰樹林 |
| 二次遷移 | 山火事・伐採のあとなど、土や種子が残る所から始まる(速い) |
| 陽樹・陰樹 | 陽樹は強い光で育つ、陰樹は弱い光でも育つ |
| 極相・ギャップ更新 | 安定した陰樹林。倒木のギャップで少しずつ入れかわる |
この図は理解のためのモデルです。木の形や光の割合、グラフは目安です。
公式
この単元の式
| 名前 | 式 | ことばで言うと・単位 |
|---|---|---|
| 一次遷移 | 裸地 → 荒原 → 草原 → 低木林 → 陽樹林 → 混交林 → 陰樹林 | 数百年かかる地衣類・コケが土をつくり始める |
| 陽樹と陰樹の交代 | 陽樹林の林床は暗い → 陰樹だけ育つ | 光をめぐる競争例:アカマツ林 → スダジイ・タブノキ林 |
| 二次遷移 | 山火事・伐採のあと → 草原や低木林から | 土と種子が残るので速い数十年で森林にもどる |
遷移が進むと、土が厚くなり、林床は暗くなり、植物の高さと種類が変わっていく。
重要語句
この単元でおさえること
確認問題へ問題ページへ →実験道具:葉のはたらき光の強さと光合成・呼吸の関係を調べよう →実験のあとに読む
なぜ陽樹林は陰樹林に入れかわるのか
何を比べる?
森林と林床の明るさ、層ごとの光、遷移の各段階、陽樹と陰樹の光合成、倒木のあとの森林を比べます。
結果をどう考える?
遷移の途中では、明るい場所でよく育つ陽樹が先に大きくなり陽樹林ができます。ところが陽樹林の下は暗いので、陽樹の芽生えは光合成より呼吸の方が多くなって育ちません。弱い光でも育つ陰樹の芽生えだけが育ち、古い陽樹が枯れると陰樹にかわっていきます。
まちがえやすい点・モデルの条件
「極相の森林は、もう何も変わらない」はまちがいです。大木が倒れてできたギャップで陽樹なども育ち、森林は少しずつ入れかわり続けています。
制作:現役の理科教員 / 制作の考え方