生物基礎|生物の特徴(3)代謝と ATP
細胞は、ATP を仲立ちにしてエネルギーを使う
生物の体の中で起こる化学反応をまとめて代謝といいます。代謝にともなうエネルギーのやりとりには、すべての生物が ATP という物質を使っています。中学のふり返りから始めて、予想してから5つのステップで確かめよう。
ことばの準備
さきに知っておくこと
- 代謝生物の体内で起こる化学反応のすべて
- 同化エネルギーを使って、簡単な物質から複雑な物質をつくること
- 異化複雑な物質を分解して、エネルギーを取り出すこと
- ATPアデノシン三リン酸。エネルギーのやりとりに使う物質
- ADPアデノシン二リン酸。ATP からリン酸が 1 つ外れたもの
- 有機物炭素をふくむ、生物がつくる物質(グルコース・タンパク質など)
ステップ1
細胞の呼吸で、出入りする気体は?
予想:細胞の呼吸(細胞呼吸)で、使う気体と出す気体は?
A=アデノシン、P=リン酸、赤い結合=高エネルギーリン酸結合。黄色のいなずま=エネルギー。
予想を選ぶと、ここで条件を変えられるようになります。
ためしてみよう
ここが大事
ステップのまとめ
代謝と ATP のまとめ
| ことば | ことばで言うと |
|---|---|
| 代謝 | 生物の体内で起こる化学反応全体 |
| 同化 | エネルギーを吸収して、簡単な物質から複雑な物質をつくる(光合成) |
| 異化 | 複雑な物質を分解して、エネルギーを取り出す(呼吸) |
| ATP | アデノシン + リン酸 3 つ。エネルギーの通貨 |
| ATP → ADP + P | エネルギーを放出(生命活動に使う) |
| ADP + P → ATP | エネルギーを吸収(呼吸・光合成でつくる) |
この図は理解のためのモデルです。ATP の形は記号で単純にしています。
公式
この単元の式
| 名前 | 式 | ことばで言うと・単位 |
|---|---|---|
| ATP のつくり | アデニン + リボース + リン酸 × 3 | アデノシンにリン酸 3 つリン酸どうしの結合が高エネルギーリン酸結合 |
| エネルギーの放出 | ATP → ADP + リン酸 + エネルギー | 使うとき筋肉の収縮・物質の合成・発光など |
| エネルギーの流れ | 光 → 有機物 → ATP → 生命活動 | 光合成と呼吸がつなぐ最後は熱になって出ていく |
同化も異化も、エネルギーのやりとりには ATP が仲立ちをする。ATP は「エネルギーの通貨」。
重要語句
この単元でおさえること
確認問題へ問題ページへ →実験道具:葉のはたらき光合成と呼吸で、気体の出入りがどう変わるか調べよう →実験のあとに読む
なぜ ATP を「通貨」とよぶのか
何を比べる?
細胞の呼吸、光合成と呼吸のエネルギー、ATP から ADP への変化、ATP と ADP の循環、グルコースから筋肉までのエネルギーの道すじを比べます。
結果をどう考える?
お金がいろいろな品物と交換できるように、ATP のエネルギーは筋肉の収縮・物質の合成・発光など、さまざまな活動に使えます。グルコースのエネルギーを一度 ATP という共通の形にしておくと、細胞のどこでも、どんな活動にも同じやり方で使えます。だから ATP はエネルギーの通貨とよばれます。
まちがえやすい点・モデルの条件
「筋肉はグルコースのエネルギーで直接動く」はまちがいです。グルコースのエネルギーは呼吸で ATP にうつされ、筋肉は ATP のエネルギーで動きます。
制作:現役の理科教員 / 制作の考え方