生物基礎|生物の特徴(4)酵素
酵素は、決まった物質にだけくり返しはたらく生体の触媒
体の中の化学反応(代謝)は、体温ぐらいのおだやかな温度でもすばやく進みます。それを可能にしているのが、タンパク質でできた触媒の酵素です。中学のふり返りから始めて、予想してから5つのステップで確かめよう。
ことばの準備
さきに知っておくこと
- 触媒反応を速めるが、反応の前後で自分は変化しない物質
- 酵素生物がつくる触媒。主成分はタンパク質
- 基質酵素がはたらきかける物質
- 活性部位酵素の中で、基質と結びつく部分
- 変性熱などでタンパク質の立体的な形がこわれること
- カタラーゼ過酸化水素を水と酸素に分解する酵素(肝臓などにある)
ステップ1
だ液を入れたデンプンにヨウ素液を入れると?
予想:デンプン溶液にだ液を入れて 40 ℃ でしばらく置いた。ヨウ素液を入れるとどうなる?
緑のくぼみのある形=酵素(くぼみ=活性部位)、小さな形=基質。白い泡=酸素。
予想を選ぶと、ここで条件を変えられるようになります。
ためしてみよう
ここが大事
ステップのまとめ
酵素のまとめ
| ことば | ことばで言うと |
|---|---|
| 酵素 | 生物がつくる触媒。主成分はタンパク質 |
| 触媒 | 反応を速めるが、自分は変化しない。くり返しはたらく |
| 基質特異性 | 活性部位に合う決まった物質(基質)にだけはたらく |
| 最適温度・最適 pH | もっともよくはたらく温度・pH(ヒト約 40 ℃、ペプシン pH 2) |
| 失活 | 高温などでタンパク質の形がこわれ、はたらかなくなる(もどらない) |
この図は理解のためのモデルです。酵素と基質の形は記号で表しています。グラフは形の目安です。
公式
この単元の式
| 名前 | 式 | ことばで言うと・単位 |
|---|---|---|
| 酵素反応 | 酵素 + 基質 → 酵素-基質複合体 → 酵素 + 生成物 | 酵素はもとにもどる2H₂O₂ → 2H₂O + O₂(カタラーゼ) |
| 基質特異性 | アミラーゼ → デンプン、ペプシン → タンパク質 | 鍵と鍵穴リパーゼ → 脂肪 |
| 最適 pH | ペプシン 2・アミラーゼ 7・トリプシン 8 | はたらく場所の pH に合う胃は強い酸性、小腸は弱いアルカリ性 |
酵素はタンパク質なので、温度や pH で形が変わりやすい。だから最適温度・最適 pH がある。
重要語句
この単元でおさえること
確認問題へ問題ページへ →実験道具:消化 RPG消化酵素で食べ物を吸収できる形に分解しよう →実験のあとに読む
なぜ酵素には「ちょうどよい温度」があるのか
何を比べる?
だ液を入れたデンプンと水を入れたデンプン、過酸化水素とカタラーゼ、アミラーゼといろいろな物質、温度と反応の速さ、加熱と冷却を比べます。
結果をどう考える?
ふつうの化学反応は、温度が高いほど速くなります。酵素の反応も、ある温度までは温度とともに速くなります。でも酵素はタンパク質でできていて、温度が高くなりすぎると立体的な形がこわれ、活性部位に基質が合わなくなります。この 2 つのかね合いで、いちばんよくはたらく温度(最適温度)があらわれます。
まちがえやすい点・モデルの条件
「加熱してはたらかなくなった酵素も、冷ませばまたはたらく」はまちがいです。高温でこわれたタンパク質の形はもどらず、失活したままです。
制作:現役の理科教員 / 制作の考え方