生物基礎|生物の多様性と生態系(3)生態系と種多様性
生物はつながり合い、多様なほど生態系は安定しやすい
生態系の生物は、食べる・食べられるの関係などで複雑につながっています。ある種がいなくなると、思いがけない生物にまで影響が広がることもあります。中学のふり返りから始めて、予想してから5つのステップで確かめよう。
ことばの準備
さきに知っておくこと
- 生態系生物とそれをとりまく環境をひとまとまりとしたもの
- 栄養段階生産者・一次消費者・二次消費者…という食物連鎖の段階
- 食物網からみ合った食物連鎖の全体
- キーストーン種生態系のつり合いを保つ要(かなめ)の種
- 間接効果直接食べる・食べられるの関係にない生物に及ぶ影響
- 生物多様性遺伝子・種・生態系のそれぞれのレベルの多様さ
ステップ1
有機物をつくり出すのは?
予想:生態系の中で、光合成によって無機物から有機物をつくり出す生物は?
矢印=食べられる → 食べる。紫の点=ウニや分解者。生物は記号で表しています。
予想を選ぶと、ここで条件を変えられるようになります。
ためしてみよう
ここが大事
ステップのまとめ
生態系と種多様性のまとめ
| ことば | ことばで言うと |
|---|---|
| 生産者・消費者・分解者 | 有機物をつくる・食べる・無機物にもどす |
| 食物網 | 食物連鎖が網の目のようにからみ合ったもの |
| 生態ピラミッド | 栄養段階が上がるほど個体数・生物量が少なくなる |
| キーストーン種 | 生態系のつり合いに特に大きな影響をもつ種(ラッコなど) |
| 生物多様性 | 遺伝的多様性・種多様性・生態系多様性。多様なほど安定しやすい |
この図は理解のためのモデルです。生物の数は目安で、実際の調査の値ではありません。
公式
この単元の式
| 名前 | 式 | ことばで言うと・単位 |
|---|---|---|
| 生態ピラミッド | 生産者 > 一次消費者 > 二次消費者 > … | 上ほど少ない次の段階に渡るエネルギーは約 1 割 |
| 間接効果の例 | ラッコ↓ → ウニ↑ → ケルプ↓ | 直接食べない相手にも影響ラッコはキーストーン種 |
| 物質の循環 | 生産者 → 消費者 → 分解者 → 無機物 → 生産者 | 分解者が輪をつなぐエネルギーは循環しない |
生物どうしのつながりが複雑で種が多いほど、1 種の変化の影響は分散され、生態系は安定しやすい。
重要語句
この単元でおさえること
確認問題へ問題ページへ →実験道具:食物連鎖と生物の数のつり合い生物の数が変わると、ほかの生物がどう変わるか調べよう →実験のあとに読む
なぜ数の少ないラッコが、海の森を左右するのか
何を比べる?
生産者・消費者・分解者、栄養段階ごとの数、ラッコがいる海といない海、種の多い生態系と少ない生態系、分解者のいる土といない土を比べます。
結果をどう考える?
ラッコはケルプを直接食べるわけではありません。でもケルプを食べるウニを食べることで、ウニの数をおさえています。ラッコがいなくなるとウニが増えすぎ、ケルプが食べつくされ、ケルプの森にすむ魚などもいなくなります。このように、食べる・食べられるの関係を通して直接関係のない生物にまで影響が及ぶことを間接効果といいます。
まちがえやすい点・モデルの条件
「分解者は、いなくても生態系に影響しない」はまちがいです。分解者がいないと遺体や落ち葉の有機物が無機物にもどらず、生産者が育たなくなり、物質の循環が止まります。
制作:現役の理科教員 / 制作の考え方