化学基礎|物質量と化学反応式(1)原子量・分子量・式量
原子の質量は、炭素原子と比べて表す
原子 1 個の質量は約 10⁻²³ g と、とても小さな数です。そこで化学では、炭素原子 ¹²C を 12 とした「比べた値」で原子の質量を表します。これが原子量・分子量・式量です。予想してから5つのステップで確かめよう。
ことばの準備
さきに知っておくこと
- 相対質量基準の原子(¹²C = 12)と比べた原子の質量。単位はない
- 同位体陽子の数が同じで、中性子の数がちがう原子(³⁵Cl と ³⁷Cl)
- 原子量同位体の相対質量を、存在する割合で平均した値
- 分子式分子をつくる原子の種類と数を表した式(H₂O)
- 組成式イオンからなる物質などで、原子の数の比を表した式(NaCl)
- 10⁻²³0.00000000000000000000001(小数点の下に 0 が 22 個)
ステップ1
原子 1 個の質量は、どう表す?
予想:炭素原子 1 個の質量は約 2.0×10⁻²³ g。小さすぎる質量は、どう表すと便利?
灰=C、白=H、赤=O、青=N、黄=S、緑=Cl、紫=Na・Ca・Mg。数字は相対質量。
予想を選ぶと、ここで条件を変えられるようになります。
ためしてみよう
ここが大事
ステップのまとめ
原子量・分子量・式量のまとめ
| ことば | ことばで言うと |
|---|---|
| 相対質量 | ¹²C 1 個を 12 としたときの、原子の質量の比 |
| 原子量 | 同位体の相対質量を、存在する割合で平均した値(Cl = 35.5) |
| 分子量 | 分子式の原子量の合計(CO₂ = 44) |
| 式量 | 組成式・イオンの式の原子量の合計(NaCl = 58.5) |
| 単位 | どれも比なので単位はない |
この図は理解のためのモデルです。原子の大きさは質量の比とは合わせていません。
公式
この単元の式
| 名前 | 式 | ことばで言うと・単位 |
|---|---|---|
| 原子量 | (相対質量 × 存在する割合)の合計 | 同位体の平均Cl:35 × 0.75 + 37 × 0.25 = 35.5 |
| 分子量 | 分子式の原子量の合計 | 分子 1 個分の比べた質量H₂O:1 × 2 + 16 = 18 |
| 式量 | 組成式の原子量の合計 | 分子がない物質に使うNaCl:23 + 35.5 = 58.5 |
よく使う原子量:H 1・C 12・N 14・O 16・Na 23・Mg 24・S 32・Cl 35.5・Ca 40。
重要語句
この単元でおさえること
確認問題へ問題ページへ →実験道具:化学式工房化学式をつくって、どの原子がいくつあるか数えよう →実験のあとに読む
なぜ原子量には単位がないのか
何を比べる?
炭素原子と水素原子のつり合い、塩素の同位体の割合、分子ごとの原子量の合計、イオンからなる物質の式量、原子 1 個とたくさん集めたときの質量を比べます。
結果をどう考える?
原子量は「炭素原子 ¹²C を 12 としたら、この原子はいくつ分か」という比べた値です。何倍かを表す数なので、単位はつきません。実際の 1 個の質量は約 10⁻²³ g ととても小さく、そのままでは計算に使いにくいので、比で表しています。
まちがえやすい点・モデルの条件
「炭素原子 1 個の質量は 12 g」はまちがいです。原子量は単位のない比で、1 個は約 2.0×10⁻²³ g。原子を 6.0×10²³ 個集めたときに 12 g になります。
制作:現役の理科教員 / 制作の考え方