化学基礎|物質の構成(4)原子の構造
原子番号と質量数から、原子の中身がわかる
原子は、陽子と中性子でできた原子核と、そのまわりの電子でできています。原子番号と質量数がわかれば、それぞれの粒の数がわかり、電子の並び方(電子配置)から化学的な性質が見えてきます。中学のふり返りから始めて、予想してから5つのステップで確かめよう。
ことばの準備
さきに知っておくこと
- 原子核原子の中心にある、陽子と中性子でできた粒
- 陽子・中性子・電子陽子は+、中性子は電気なし、電子は−。陽子と中性子はほぼ同じ質量で、電子は約 1/1840
- 原子番号陽子の数。元素の種類を決める
- 質量数陽子の数 + 中性子の数
- 電子殻電子が入る層。内側から K 殻・L 殻・M 殻
- 価電子最も外側の電子殻(最外殻)の電子。化学反応に関わる
ステップ1
原子は、何でできている?
予想:原子は中心の原子核と、まわりの電子でできている。原子全体の電気は?
赤=陽子、灰=中性子、青=電子。原子核の粒はモデルで、大きさの比は実際とちがう。
予想を選ぶと、ここで条件を変えられるようになります。
ためしてみよう
ここが大事
ステップのまとめ
原子の構造のまとめ
| ことば | ことばで言うと |
|---|---|
| 原子番号 | 陽子の数 = 中性の原子の電子の数 |
| 質量数 | 陽子の数 + 中性子の数 |
| 同位体 | 陽子の数が同じで、中性子の数がちがう原子 |
| 原子量 | 同位体の相対質量を、存在比で平均した値(Cl = 35.5) |
| 電子配置 | 内側から K(2)・L(8)・M(8)の順に入る |
| 価電子 | 最外殻の電子。化学的性質を決める(貴ガスは 0) |
この図は理解のためのモデルです。電子殻を円で、原子核を粒の集まりで描いていますが、実際の電子は決まった円の上を回っているわけではありません。
公式
この単元の式
| 名前 | 式 | ことばで言うと・単位 |
|---|---|---|
| 粒の数 | 中性子 = 質量数 − 原子番号 | 陽子 = 電子 = 原子番号中性の原子のとき |
| 原子量 | Σ(相対質量 × 存在比) | 同位体の重みつき平均Cl:35 × 0.75 + 37 × 0.25 = 35.5 |
| 電子殻の定員 | K 2・L 8・M 18 | 原子番号 20 までは M に 8 まで内側から順に入る |
元素記号の左上が質量数、左下が原子番号(例:²³₁₁Na)。ここから陽子・中性子・電子の数がすぐ出せる。
重要語句
この単元でおさえること
確認問題へ問題ページへ →実験道具:電離のようす原子が電子をやりとりしてイオンになるようすを調べよう →実験のあとに読む
なぜ電子の並び方で性質が決まるのか
何を比べる?
原子ごとの陽子・中性子・電子の数、塩素の同位体の存在比と原子量、原子ごとの電子配置と価電子、陽子・中性子・電子の質量、原子と原子核の大きさを比べます。
結果をどう考える?
化学反応では、原子核は変わらず、外側の電子がやりとりされたり共有されたりします。だから、最外殻の電子(価電子)の数が同じ元素は、よく似た化学的性質をもちます。周期表で縦に並ぶ元素が似た性質をもつのは、価電子の数が同じだからです。
まちがえやすい点・モデルの条件
「原子の質量は、たくさんある電子が大部分」はまちがいです。電子は陽子の約 1/1840 の質量しかなく、質量のほとんどは小さな原子核に集中しています。
制作:現役の理科教員 / 制作の考え方