化学基礎|物質量と化学反応式(3)溶液の濃度
溶液のこさは、1 L あたりの物質量で表す
中学では溶液のこさを「質量パーセント濃度」で表しました。高校では、溶液 1 L にとけている溶質の物質量「モル濃度」を使います。粒子の数で考えられるので、化学反応の計算に便利です。中学のふり返りから始めて、予想してから5つのステップで確かめよう。
ことばの準備
さきに知っておくこと
- 溶質とけている物質(食塩水の食塩)
- 溶媒溶質をとかしている液体(食塩水の水)
- 溶液溶質が溶媒にとけた液体全体。溶液 = 溶媒 + 溶質
- モル濃度溶液 1 L あたりにとけている溶質の物質量。単位は mol/L
- メスフラスコ標線まで液体を入れると、決まった体積になるガラス器具
- mL と L1000 mL = 1 L。500 mL = 0.500 L
ステップ1
食塩水のこさは何 %?
予想:水 90 g に食塩 10 g をとかした。質量パーセント濃度は?
紫の点=とけている溶質の粒子。青=溶液。赤い線=メスフラスコの標線。
予想を選ぶと、ここで条件を変えられるようになります。
ためしてみよう
ここが大事
ステップのまとめ
溶液の濃度のまとめ
| ことば | ことばで言うと |
|---|---|
| 質量パーセント濃度 | 溶質の質量 ÷ 溶液の質量 × 100〔%〕 |
| モル濃度 | 溶質の物質量〔mol〕÷ 溶液の体積〔L〕 |
| 作り方 | とかしてから、メスフラスコで全体を決まった体積にする |
| 溶質の物質量 | モル濃度 × 体積〔L〕(mL は L になおす) |
| うすめる | 溶質の物質量は変わらない。体積が n 倍なら濃度は n 分の 1 |
この図は理解のためのモデルです。粒子の数や大きさは単純にしています。
公式
この単元の式
| 名前 | 式 | ことばで言うと・単位 |
|---|---|---|
| 質量パーセント濃度 | 溶質〔g〕÷ 溶液〔g〕× 100 | 溶液 100 g あたりの溶質の g10 ÷ 100 × 100 = 10 % |
| モル濃度 | 溶質〔mol〕÷ 溶液〔L〕 | 溶液 1 L あたりの溶質の mol0.20 mol ÷ 0.50 L = 0.40 mol/L |
| 溶質の物質量 | モル濃度 × 体積〔L〕 | 濃度に体積をかける0.10 mol/L × 0.500 L = 0.050 mol |
割るのは「溶媒」ではなく「溶液」。質量パーセント濃度は溶液の質量、モル濃度は溶液の体積で割る。
重要語句
この単元でおさえること
確認問題へ問題ページへ →実験道具:濃度と湿度の計算質量パーセント濃度の計算を練習しよう →実験のあとに読む
なぜ「水 1 L にとかす」ではいけないのか
何を比べる?
食塩の量と質量パーセント濃度、溶液の体積とモル濃度、2 つの作り方、溶液の体積と溶質の質量、うすめたときの濃度を比べます。
結果をどう考える?
水に物質をとかすと、溶液全体の体積は、もとの水の体積とぴったり同じにはなりません。モル濃度は「溶液」1 L あたりの量なので、溶質をとかしてから、メスフラスコの標線まで水を加えて全体の体積をちょうど合わせます。
まちがえやすい点・モデルの条件
「水でうすめると、溶質も減る」はまちがいです。とけている溶質の物質量は変わらず、体積が増えた分だけ濃度が小さくなります。
制作:現役の理科教員 / 制作の考え方