化学基礎|物質量と化学反応式(4)化学反応式
化学反応式の係数は、物質量の比を表す
化学反応式は、反応の前後で原子の数がそろうように係数をつけて書きます。高校では、その係数が「物質量(mol)の比」を表すことが大切です。中学のふり返りから始めて、予想してから5つのステップで確かめよう。
ことばの準備
さきに知っておくこと
- 反応物反応する前の物質。反応式の左に書く
- 生成物反応してできた物質。反応式の右に書く
- 係数化学式の前につける数。分子などの数の比を表す
- 燃焼物質が酸素と激しく反応すること。C は CO₂ に、H は H₂O になる
- 質量保存の法則反応の前後で、物質全体の質量は変わらない
- 単体1 種類の元素だけでできた物質(O₂・H₂ など)
ステップ1
「H₂ + O₂ → H₂O」のどこがおかしい?
予想:水素と酸素から水ができる反応を「H₂ + O₂ → H₂O」と書いた。何がおかしい?
白=H、赤=O、灰=C。表の ○ は左右の原子の数がそろっている、× はそろっていない。
予想を選ぶと、ここで条件を変えられるようになります。
ためしてみよう
ここが大事
ステップのまとめ
化学反応式のまとめ
| ことば | ことばで言うと |
|---|---|
| 化学反応式 | 反応物 → 生成物。左右の原子の種類と数を等しくする |
| 係数 | 化学式の前の数。最も簡単な整数にし、1 は書かない |
| 係数のつけ方 | 登場の少ない原子から合わせ、単体(O₂ など)は最後 |
| 係数の比 | 分子の数の比 = 物質量の比(気体は体積の比) |
| 変わらないもの | 原子の種類と数・全体の質量。分子の数は変わることがある |
この図は理解のためのモデルです。分子の形や大きさは単純にしています。
公式
この単元の式
| 名前 | 式 | ことばで言うと・単位 |
|---|---|---|
| 係数の比 | 係数の比 = 物質量の比 | 反応する「数」の比2H₂ + O₂ → 2H₂O は 2:1:2 |
| 気体の体積の比 | 係数の比 = 体積の比 | 同じ温度・圧力の気体のときH₂ 2 L と O₂ 1 L が反応 |
| 燃焼の例 | C₃H₈ + 5O₂ → 3CO₂ + 4H₂O | C → H → O の順に合わせるO:3 × 2 + 4 = 10 → O₂ は 5 |
係数の比は「質量の比」ではない。質量で考えるときは、いったん物質量になおす。
重要語句
この単元でおさえること
確認問題へ問題ページへ →実験道具:化学反応式の係数あわせいろいろな反応式で、係数をあわせる練習をしよう →実験のあとに読む
なぜ係数の比は「質量の比」ではないのか
何を比べる?
係数のない反応式と係数をつけた反応式、メタンの燃焼の原子の数、水素の量と水の量、プロパンの燃焼、反応前後の分子の数・原子の数・質量を比べます。
結果をどう考える?
係数は「分子が何個ずつ反応するか」を表しています。2H₂ + O₂ → 2H₂O なら、H₂ 2 個と O₂ 1 個が反応します。個数の比はそのまま物質量の比になりますが、H₂ と O₂ では 1 個の重さがちがうので、質量の比は 2:1 ではなく 4 g:32 g = 1:8 になります。
まちがえやすい点・モデルの条件
「係数の和は左右で同じになる」はまちがいです。原子の数と質量は変わりませんが、分子の数(係数の和)は変わることがあります。
制作:現役の理科教員 / 制作の考え方