化学基礎|物質量と化学反応式(5)化学反応の量的関係
反応の量は「g → mol → 係数の比 → g」で求める
化学反応式の係数は物質量の比を表します。だから「分かっている量を mol にする → 係数の比で求めたい物質の mol にする → g や L になおす」の 3 段階で、反応する量・できる量を計算できます。中学のふり返りから始めて、予想してから5つのステップで確かめよう。
ことばの準備
さきに知っておくこと
- 量的関係反応する物質とできる物質の、量(mol・g・L)の関係
- モル質量1 mol の質量。Mg 24 g/mol、MgO 40 g/mol、CaCO₃ 100 g/mol
- モル体積標準状態の気体 1 mol の体積。22.4 L/mol
- 十分な量反応しきらずに残るほど多い量。計算には使わない
- 過不足どちらかの物質が余ること。足りない方がすべて反応する
- 標準状態0 ℃・1.013×10⁵ Pa
ステップ1
銅 2 g から、酸化銅は何 g?
予想:銅と酸素は質量の比 4:1 で結びつく。銅 2 g を十分に加熱すると、酸化銅は何 g できる?
四角いブロック=決まった物質量のまとまり。うすい色のブロックは反応した分。
予想を選ぶと、ここで条件を変えられるようになります。
ためしてみよう
ここが大事
ステップのまとめ
化学反応の量的関係のまとめ
| 手順 | やること |
|---|---|
| ① mol にする | 質量 ÷ モル質量、体積 ÷ 22.4、濃度 × 体積〔L〕 |
| ② 係数の比 | 反応式の係数の比 = 物質量の比で、求めたい物質の mol にする |
| ③ もどす | mol × モル質量 → g、mol × 22.4 → L(標準状態) |
| 過不足 | 足りない方がすべて反応し、生成物の量を決める |
| 注意 | 質量の比ではなく、物質量の比で比べる |
この図は理解のためのモデルです。ブロックの数は物質量の目安です。
公式
この単元の式
| 名前 | 式 | ことばで言うと・単位 |
|---|---|---|
| 3 段階の計算 | g → mol → 係数の比 → g(L) | いつも mol を通るMg 2.4 g → 0.10 mol → MgO 0.10 mol → 4.0 g |
| 気体の体積 | 体積〔L〕= 物質量 × 22.4 | 標準状態のときCO₂ 0.10 mol → 2.24 L |
| 過不足の判断 | 持っている mol ÷ 係数 が小さい方が足りない | 係数 1 つ分が何回できるかH₂ 3 ÷ 2 = 1.5、O₂ 1 ÷ 1 = 1 → O₂ が足りない |
質量どうしを係数の比で直接比べない。必ず mol になおしてから係数の比を使う。
重要語句
この単元でおさえること
確認問題へ問題ページへ →実験道具:金属の酸化と質量の変化金属の質量と、結びつく酸素の質量の関係を調べよう →実験のあとに読む
なぜ「g → mol → g」と遠回りするのか
何を比べる?
銅と酸化銅の質量、マグネシウムと酸化マグネシウムの質量、炭酸カルシウムと二酸化炭素の体積、水素と酸素の物質量、同じ質量の水素と酸素を比べます。
結果をどう考える?
化学反応式の係数が表しているのは「粒子が何個ずつ反応するか」、つまり物質量の比です。物質によって 1 個の重さがちがうので、質量のまま係数の比を使うことはできません。いったん mol(粒子の数)になおし、係数の比を使ってから、g や L にもどすと正しく計算できます。
まちがえやすい点・モデルの条件
「同じ質量ずつ混ぜれば、ちょうど反応する」はまちがいです。H₂ と O₂ を 4 g ずつ混ぜると、物質量は 2 mol と 0.125 mol で、O₂ が大きく足りません。
制作:現役の理科教員 / 制作の考え方