物理基礎|エネルギー(3)エネルギー資源と発電
発電は「エネルギーの変換」、どの方法にも長所と短所がある
私たちが使う電気は、いろいろなエネルギーを変換してつくられます。発電のしくみと効率、それぞれの長所と短所を知ると、エネルギーのこれからを考えられます。中学のふり返りから始めて、予想してから5つのステップで確かめよう。
ことばの準備
さきに知っておくこと
- 発電機磁石とコイルで、電磁誘導を使って電気をつくる装置
- タービン蒸気・水・風の力で回る羽根車。発電機を回す
- 化石燃料石炭・石油・天然ガス。燃やすと CO₂ を出し、量に限りがある
- 再生可能エネルギー太陽光・風力・水力・地熱など、使ってもなくならないエネルギー
- kW(キロワット)電力の単位。1 kW = 1000 W = 1 秒に 1000 J
- エネルギーミックスいくつかの発電方法を組み合わせて使うこと
ステップ1
発電機は、どうやって電気をつくる?
予想:発電機の中で磁石を回すと電気ができる。これは何という現象を使っている?
紫=化学、赤=熱、緑=運動、青=電気エネルギー。g = 9.8 m/s²。数値は目安。
予想を選ぶと、ここで条件を変えられるようになります。
ためしてみよう
ここが大事
ステップのまとめ
エネルギー資源と発電のまとめ
| 発電方法 | エネルギーの流れ | 長所 | 短所 |
|---|---|---|---|
| 火力 | 化学 → 熱 → 運動 → 電気 | 安定・出力を調整しやすい | CO₂ を出す・燃料が限られる |
| 原子力 | 核 → 熱 → 運動 → 電気 | CO₂ をほぼ出さない・大量 | 放射性廃棄物・事故の影響 |
| 水力 | 位置 → 運動 → 電気 | CO₂ をほぼ出さない・効率が高い | ダムをつくる場所が限られる |
| 太陽光・風力 | 光・運動 → 電気 | 燃料がいらない・CO₂ をほぼ出さない | 天気・時間で変わる・土地が必要 |
この図は理解のためのモデルです。効率や発電量の変化は目安の数値で、実際は設備や地域でちがいます。
公式
この単元の式
| 名前 | 式 | ことばで言うと・単位 |
|---|---|---|
| 発電効率 | η = E電気 / Eもと | 効率 = 電気エネルギー ÷ もとのエネルギー火力は約 40〜60%、水力は約 80% |
| 水力発電の電力 | P = η × mgh / t | 電力 = 効率 × 1 秒あたりの位置エネルギーm:t 秒間に落ちる水の質量 |
| 電力と電力量 | W = Pt | 電力量 = 電力 × 時間単位 kWh。1 kWh = 3.6×10⁶ J |
発電の計算は、もとのエネルギー(mgh・燃料の熱など)を求め、効率をかけて電気エネルギーにする。
重要語句
この単元でおさえること
確認問題へ問題ページへ →実験道具:発電のしくみいろいろな発電方法を、エネルギーの流れで比べよう →実験のあとに読む
これからのエネルギーを考えるために
何を比べる?
発電機を回す速さと電球の明るさ、火力発電の効率と捨てる熱、ダムの落差と電力、晴れとくもりの太陽光の発電量、発電方法ごとの長所と短所を比べます。
結果をどう考える?
電気は便利ですが、つくるときに必ず何かのエネルギー資源を使い、一部は熱として捨てられます。化石燃料は限りがあり CO₂ を出し、再生可能エネルギーは天気に左右されます。物理の知識(効率・エネルギー保存・電磁誘導)を使うと、それぞれの発電方法のちがいを数字で比べ、どう組み合わせるかを考えられます。
まちがえやすい点・モデルの条件
「CO₂ を出さない発電なら完ぺき」「1 つの方法だけで全部まかなえる」はまちがいです。どの方法にも長所と短所があり、組み合わせて使うことが大切です。
制作:現役の理科教員 / 制作の考え方