物理基礎|熱(1)熱と温度
「温度」と「熱量」は、別の量
温度は粒子の運動のはげしさ、熱量は移動するエネルギーの量です。中学のふり返りから始めて、熱量の単位・Q = mcΔT・比熱・まちがえやすい点まで、予想してから5つのステップで確かめよう。
ことばの準備
さきに知っておくこと
- 熱運動粒子(原子・分子)が乱雑に動き回っていること。温度が高いほどはげしい
- 絶対温度 K(ケルビン)−273 ℃ を 0 とした温度。T [K] = 273 + t [℃]。温度の「変化」は ℃ でも K でも同じ数
- 熱量温度の高い物体から低い物体へ移るエネルギーの量。単位 J
- 比熱物質 1 g を 1 K 上げるのに必要な熱量。単位 J/(g·K)。物質ごとに決まっている
- cal(カロリー)水 1 g を 1 K 上げる熱量。1 cal = 4.2 J
- ΔT(デルタティー)温度の変化(あと − はじめ)
ステップ1
温度が高いとき、粒子はどうなっている?
予想:水の温度を高くすると、水の粒子(分子)の動きはどうなる?
比熱の単位は J/(g·K)。水 4.2、アルミニウム 0.90、鉄 0.45。温度の変化 ΔT は ℃ でも K でも同じ数。
予想を選ぶと、ここで条件を変えられるようになります。
ためしてみよう
ここが大事
ステップのまとめ
熱と温度のまとめ
| ことば・式 | ことばで言うと |
|---|---|
| 温度 | 粒子の熱運動のはげしさ。絶対温度 T [K] = 273 + t [℃] |
| 熱量 Q [J] | 移動するエネルギーの量。単位は仕事と同じ J |
| 比熱 c | 1 g を 1 K 上げる熱量。水 4.2 J/(g·K)、金属は小さい |
| Q = mcΔT | 熱量 = 質量 × 比熱 × 温度の変化 |
| 温度と熱量 | 別の量。温度が低くても質量が大きければ熱量は多い |
この図は理解のためのモデルです。粒子の動きは温度のちがいが見えるように単純化し、加熱中の熱のにげは考えていません。
公式
この単元の式
| 名前 | 式 | ことばで言うと・単位 |
|---|---|---|
| 熱量 | Q = mcΔT | 熱量 = 質量 × 比熱 × 温度の変化m [g]、c [J/(g·K)]、ΔT [K]。単位 J |
| 熱容量 | C = mc | 物体全体を 1 K 上げる熱量単位 J/K。Q = CΔT とも書ける |
| 絶対温度 | T = t + 273 | ケルビン = 摂氏 + 2730 K = −273 ℃(絶対零度)。目もりの幅は同じ |
比熱 c は「1 g あたり」、熱容量 C は「その物体全体」。問題文で単位(J/(g·K) か J/K か)を見て区別する。
重要語句
この単元でおさえること
確認問題へ問題ページへ →実験道具:加熱曲線水を温め続けたときの温度の変化を、自由に調べよう →実験のあとに読む
なぜ水は「温まりにくく冷めにくい」のか
何を比べる?
温度を変えたときの粒子の動き、水の質量を変えたときの必要な熱量、上げる温度を変えたときの熱量、同じ熱量での水と金属の温度上昇、温度と質量がちがう水の熱量を比べます。
結果をどう考える?
同じ熱量を加えても、比熱の大きい水は温度があまり上がらず、比熱の小さい金属は大きく上がります。だから海の近くは気温の変化が小さく、フライパンはすぐ熱くなります。熱量は「温度 × 質量 × 比熱」で決まるので、温度だけ見ても熱量の多さは分かりません。
まちがえやすい点・モデルの条件
「温度」と「熱」を混同しやすいです。温度は状態(粒子の運動のはげしさ)、熱量はやりとりされるエネルギーの量。80 ℃ のお湯 100 g より、40 ℃ の水 1000 g の方が多くの熱量をもっています。
制作:現役の理科教員 / 制作の考え方