物理基礎|電気(3)電力と電力量
電気のエネルギーは「電力 × 時間」
電力は 1 秒あたりに使う電気のエネルギー、電力量はそれに時間をかけたものです。抵抗に電流が流れると熱(ジュール熱)が出ます。中学のふり返りから始めて、予想してから5つのステップで確かめよう。
ことばの準備
さきに知っておくこと
- 電力 W(ワット)1 秒あたりに使う電気のエネルギー。1 W = 1 J/s
- 電力量電気が使ったエネルギーの合計(電力 × 時間)
- kWh(キロワット時)1 kW の電力を 1 時間使ったときの電力量。電気料金に使う単位
- ジュール熱抵抗に電流が流れたときに発生する熱
- RI²「R × I × I」。電流を 2 乗する
- V²/R「V × V ÷ R」。電圧を 2 乗して抵抗で割る
ステップ1
電力 = 電圧 × 電流
予想:100 V の電源につないだ電球に 0.60 A の電流が流れた。電球の電力は?
電熱線の熱は全部 水に移るものとする。水の比熱 4.2 J/(g·K)。1 kWh = 3.6×10⁶ J。
予想を選ぶと、ここで条件を変えられるようになります。
ためしてみよう
ここが大事
ステップのまとめ
電力と電力量のまとめ
| ことば・式 | ことばで言うと |
|---|---|
| 電力 P = VI | 1 秒あたりに使う電気のエネルギー。単位 W = J/s |
| P = RI² = V²/R | V = RI を入れた形。電流が同じなら RI²、電圧が同じなら V²/R |
| ジュール熱 Q = VIt | 抵抗から出る熱 = 電力 × 時間 |
| 電力量 W = Pt | 使った電気のエネルギー。単位 J または kWh(1 kWh = 3.6×10⁶ J) |
| 注意 | 並列(電圧が同じ)では、抵抗が小さいほど発熱が大きい |
この図は理解のためのモデルです。電熱線の熱がにげたり、抵抗が温度で変わったりすることは考えていません。
公式
この単元の式
| 名前 | 式 | ことばで言うと・単位 |
|---|---|---|
| 電力 | P = VI = RI2 = V2/R | 電力 = 電圧 × 電流単位 W。V = RI で形を変えられる |
| ジュール熱 | Q = VIt = RI2t | 熱量 = 電力 × 時間単位 J |
| 電力量 | W = Pt | 電力量 = 電力 × 時間J(W × 秒)または kWh(kW × 時間) |
直列(電流が共通)なら P = RI²、並列(電圧が共通)なら P = V²/R を使うと計算が楽。
重要語句
この単元でおさえること
確認問題へ問題ページへ →実験道具:回路の計算電流・電圧・抵抗から、電力を自由に計算しよう →実験のあとに読む
なぜ並列では抵抗の小さい方が熱くなるのか
何を比べる?
電流を変えたときの電力、流す時間を変えたときの熱量、抵抗を変えたときの電力、器具の電力を変えたときの電力量、並列と直列での 2 つの電熱線の発熱を比べます。
結果をどう考える?
発熱(電力)は P = VI で、電圧と電流の両方で決まります。並列では電圧が同じなので、電流が多く流れる「抵抗の小さい方」が大きく発熱します(P = V²/R)。直列では電流が同じなので、電圧が大きくかかる「抵抗の大きい方」が大きく発熱します(P = RI²)。家庭の電気器具は並列なので、ドライヤーのように電力の大きい器具ほど抵抗は小さく作られています。
まちがえやすい点・モデルの条件
「抵抗が大きいほど熱が出る」は、電流が同じとき(直列)だけです。電圧が同じとき(並列)は逆になります。どちらが共通かを先に確かめましょう。
制作:現役の理科教員 / 制作の考え方