物理基礎|波(3)音の性質
音の速さは空気で決まり、高さでは変わらない
音は空気の縦波です。高さは振動数、大きさは振幅で決まり、速さは気温で決まります。中学のふり返りから始めて、音速・波長・うなり・まちがえやすい点まで、予想してから5つのステップで確かめよう。
ことばの準備
さきに知っておくこと
- Hz(ヘルツ)1 秒間の振動回数の単位。440 Hz は「1 秒に 440 回振動」
- 音の高さ・大きさ高さは振動数、大きさは振幅で決まる(中学と同じ)
- 音速音が空気中を伝わる速さ。約 340 m/s(15 ℃)。気温で変わる
- 縦波音は空気の密と疎が伝わる縦波。波長は「密から次の密まで」
- うなり振動数が少しちがう 2 つの音を重ねたときに起こる、大きさの周期的な変化
- 調律楽器の音の高さを合わせること。うなりが消えると同じ高さ
ステップ1
高い音にするには?
予想:スピーカーの音を、もっと高い音にしたい。何を変えればよい?
青=音の波形・密と疎、赤の点線=うなりの大きさの変化。音速は 15 ℃ で約 340 m/s。
予想を選ぶと、ここで条件を変えられるようになります。
ためしてみよう
ここが大事
ステップのまとめ
音の性質のまとめ
| ことば・式 | ことばで言うと |
|---|---|
| 音の三要素 | 高さ = 振動数、大きさ = 振幅、音色 = 波形 |
| 音速 v ≒ 331.5 + 0.6t | 気温 t [℃] が高いほど速い。15 ℃ で約 340 m/s |
| 波長 λ = v / f | 高い音ほど波長は短い |
| うなり | 振動数が少しちがう音を重ねると大きさが周期的に変わる。回数 = |f₁ − f₂| |
| 注意 | 音速は高さによらない。高い音も低い音も同じ速さ |
この図は理解のためのモデルです。音の波形は見やすいように振動数を縮めて描き、音の広がりや減衰は考えていません。
公式
この単元の式
| 名前 | 式 | ことばで言うと・単位 |
|---|---|---|
| 音速 | v = 331.5 + 0.6t | 音速 = 331.5 + 0.6 × 気温t:気温 [℃]。単位 m/s。0 ℃ で 331.5、15 ℃ で約 340 |
| 波長 | λ = v / f | 波長 = 音速 ÷ 振動数v = fλ を変形したもの |
| うなり | fうなり = |f1 − f2| | 1 秒のうなりの回数 = 振動数の差差が小さいほど、ゆっくりうなる |
音の問題は、まず音速 v を決め(問題文か 331.5 + 0.6t)、v = fλ で振動数と波長を結ぶ。
重要語句
この単元でおさえること
確認問題へ問題ページへ →実験道具:モノコードで音の高さと大きさ弦の長さ・太さ・張り方を変えて、音の高さを調べよう →実験のあとに読む
なぜ「かみなりは光ってから音がする」のか
何を比べる?
振動数を変えたときの波形、気温を変えたときの音速、振動数を変えたときの波長、2 つ目の音の振動数を変えたときのうなりの回数、高い音と低い音のかべに着く時刻を比べます。
結果をどう考える?
光は約 3×10⁸ m/s でほぼ一瞬で届きますが、音は約 340 m/s。1 km 先のかみなりの音は約 3 秒おくれて届きます。音速は空気の状態(気温)で決まるので、高い音も低い音も同じ速さで伝わります。もし高さで速さがちがったら、遠くで聞く音楽はばらばらに聞こえてしまいます。
まちがえやすい点・モデルの条件
「高い音は速い」「大きい音は速い」はどちらもまちがいです。速さは媒質で決まり、高さ(振動数)や大きさ(振幅)には関係ありません。
制作:現役の理科教員 / 制作の考え方