物理基礎|波(4)弦と気柱の振動
楽器の音の高さは、定常波の「波長」で決まる
弦や管の中の空気には定常波ができ、その波長から音の高さが決まります。弦は両端が節、管は閉口が節・開口が腹。中学のふり返りから始めて、予想してから5つのステップで確かめよう。
ことばの準備
さきに知っておくこと
- 定常波進まずにその場で振動する波。腹(大きく振れる)と節(動かない)が交互に並ぶ(前の単元)
- 基本振動いちばん単純な振動(腹が 1 つ)。いちばん低い音
- n 倍振動腹が n 個の振動。振動数が基本振動の n 倍
- 閉管・開管片方がふさがった管が閉管、両方が開いた管が開管
- 閉口・開口管のふさがった端と開いた端。閉口は空気が動けないので節、開口は腹
- λ/2 と λ/4節から次の節(腹から次の腹)までが λ/2、節から腹までが λ/4
ステップ1
弦を短くすると、音は?
予想:モノコードの弦を、指でおさえて短くしてからはじいた。音の高さは?
青=定常波(点線は半周期後)、緑の点=節、赤=波長。弦を伝わる波の速さ 200 m/s、音速 340 m/s(モデル)。
予想を選ぶと、ここで条件を変えられるようになります。
ためしてみよう
ここが大事
ステップのまとめ
弦と気柱の振動のまとめ
| もの | 端のようす | 基本振動の波長 | できる振動 |
|---|---|---|---|
| 弦 | 両端が節 | λ = 2L | n 倍振動(腹 n 個、f = n f₁) |
| 開管 | 両端が腹 | λ = 2L | n 倍振動(弦と同じ) |
| 閉管 | 閉口が節、開口が腹 | λ = 4L | 奇数倍振動のみ(1, 3, 5…) |
振動数は f = v / λ。弦は弦を伝わる波の速さ、管は音速を使う。
この図は理解のためのモデルです。管の開口の少し外に腹ができる「開口端補正」は考えていません。弦を伝わる波の速さは 200 m/s としています。
公式
この単元の式
| 名前 | 式 | ことばで言うと・単位 |
|---|---|---|
| 弦の振動 | λn = 2L / n | 波長 = 弦の長さの 2 倍 ÷ 腹の数f = v/λ。基本振動(n = 1)は λ = 2L |
| 開管 | λn = 2L / n | 弦と同じ形(両端が腹)f = V/λ(V:音速) |
| 閉管 | λ = 4L / (2m − 1) | 基本振動は 4L。奇数倍だけm = 1, 2, 3… で λ = 4L, 4L/3, 4L/5… |
手順:①端が節か腹かを決める ②図から「管(弦)に波長の何分の何が入っているか」を読む ③λ を出して f = v/λ。
重要語句
この単元でおさえること
確認問題へ問題ページへ →実験道具:モノコードで音の高さと大きさ弦の長さ・太さ・張り方を変えて、音の高さを調べよう →実験のあとに読む
なぜ楽器は決まった高さの音が出るのか
何を比べる?
弦の長さを変えたときの振動数、腹の数を変えたときの波長と振動数、閉管の長さを変えたときの波長、開管と閉管の波長と振動数を比べます。
結果をどう考える?
弦をはじくと、両端で反射した波が重なって定常波ができます。両端は固定されているので必ず節になり、弦に入る波長は 2L、2L/2、2L/3…と決まった値しか取れません。だから決まった高さの音(基本振動とその倍音)が出ます。管の中の空気も同じで、閉口は節、開口は腹という条件から波長が決まります。
まちがえやすい点・モデルの条件
「弦の長さ = 波長」「管の長さ = 波長」はまちがいです。弦と開管は λ/2、閉管は λ/4 が入っています。図を描いて、節と腹の位置から波長を読むのが確実です。
制作:現役の理科教員 / 制作の考え方