生物基礎|ヒトの体の調節(5)腎臓と肝臓
腎臓はろ過と再吸収で体液を保ち、肝臓は物質をつくりかえる
腎臓は、血液を大量にろ過してから必要なものを再吸収することで、不要物を捨てながら体液の量と濃度を一定に保ちます。肝臓は、アンモニアを尿素に変えるなど、物質をつくりかえて体内環境を守ります。中学のふり返りから始めて、予想してから5つのステップで確かめよう。
ことばの準備
さきに知っておくこと
- ネフロン腎臓で尿をつくる単位。腎小体(糸球体+ボーマンのう)と細尿管
- 原尿糸球体からボーマンのうへこし出された液
- 再吸収原尿中の必要な物質を、細尿管などで血液にもどすこと
- 尿素肝臓でアンモニアからつくられる、毒性の低い不要物
- 濃縮率尿中の濃度が血しょう中の何倍になったか
- バソプレシン脳下垂体後葉のホルモン。水の再吸収を促進
ステップ1
尿をつくる器官は?
予想:血液中の不要物をこしとって尿をつくる器官は?
青い粒=原尿の流れ、橙の粒=バソプレシン。棒の赤=血しょう、黄=尿の濃度。器官は記号で表しています。
予想を選ぶと、ここで条件を変えられるようになります。
ためしてみよう
ここが大事
ステップのまとめ
腎臓と肝臓のまとめ
| ことば | ことばで言うと |
|---|---|
| ろ過 | 糸球体 → ボーマンのう。血球・タンパク質以外が原尿に(1 日 約 170 L) |
| 再吸収 | 細尿管・集合管で水・グルコース・無機塩類を血液へ(尿 約 1.5 L) |
| 濃縮率 | 尿中の濃度 ÷ 血しょう中の濃度(グルコース 0・尿素 約 67) |
| バソプレシン | 集合管での水の再吸収を促進 |
| 肝臓 | 尿素の合成・グリコーゲンの貯蔵・解毒・胆汁の生成・発熱 |
この図は理解のためのモデルです。ネフロンや臓器の形は記号で単純にしています。濃度は目安です。
公式
この単元の式
| 名前 | 式 | ことばで言うと・単位 |
|---|---|---|
| 濃縮率 | 尿中の濃度 ÷ 血しょう中の濃度 | 何倍に濃くなったか尿素 2 ÷ 0.03 ≒ 67 |
| 原尿の量 | 原尿量 = 尿量 × イヌリンの濃縮率 | イヌリンは再吸収されない1.5 L × 120 ≒ 180 L |
| 再吸収量 | 再吸収量 = 原尿中の量 − 尿中の量 | こし出された分から引く水は約 99 % が再吸収される |
タンパク質や血球は大きいのでろ過されない。グルコースはろ過されるが、ふつう全部再吸収される。
重要語句
この単元でおさえること
確認問題へ問題ページへ →実験道具:消化 RPG消化と吸収から、肝臓・腎臓へのつながりを確かめよう →実験のあとに読む
なぜ腎臓は「全部こしてから、もどす」のか
何を比べる?
腎臓のはたらき、ろ過と再吸収の量、物質ごとの血しょうと尿の濃度、肝臓のはたらき、汗をかいたときと水を飲んだときの尿を比べます。
結果をどう考える?
捨てたい物質を 1 つずつ選んで捨てるのではなく、血液をいったん大量にこして、必要なものだけを再吸収すれば、体に入ってきたさまざまな不要物を取りこぼさずに捨てられます。さらに再吸収の量をホルモンで調節すれば、水や塩分の量も細かく調整できます。
まちがえやすい点・モデルの条件
「尿素は腎臓でつくられる」はまちがいです。尿素は肝臓でアンモニアからつくられ、血液で腎臓に運ばれて尿として排出されます。
制作:現役の理科教員 / 制作の考え方