理科ラボ

化学基礎|酸化還元(4)電池と電気分解

電池は酸化還元で電気をつくり、電気分解は電気で酸化還元を起こす

電池は、酸化還元反応で移動する電子を導線に通して電気を取り出すしくみです。逆に電気分解は、外から電気を流して酸化還元反応を起こします。中学のふり返りから始めて、予想してから5つのステップで確かめよう。

ことばの準備

さきに知っておくこと

    ステップ1

    ダニエル電池の −極はどっち?

    予想:ダニエル電池(亜鉛板と硫酸亜鉛水溶液、銅板と硫酸銅水溶液)で、−極になるのは?

    青い点=電子。点線=素焼き板。白い泡=H₂・O₂、黄緑の泡=Cl₂、茶色の粒=出てきた銅。

    予想を選ぶと、ここで条件を変えられるようになります。

    公式

    この単元の式

    名前式ことばで言うと・単位
    ダニエル電池(−) Zn|ZnSO₄aq|CuSO₄aq|Cu (+)電圧は約 1.1 V全体:Zn + Cu²⁺ → Zn²⁺ + Cu
    電池の極負極で酸化、正極で還元イオン化傾向が大きい方が負極差が大きいほど電圧が大きい
    電気分解の極陰極で還元、陽極で酸化陰極に電子が送りこまれるCuCl₂ aq:陰極 Cu、陽極 Cl₂

    「負極・陽極で酸化」「正極・陰極で還元」。名前は似ているが、電池と電気分解で使うことばがちがう。

    重要語句

    この単元でおさえること

    確認問題へ問題ページへ →実験道具:電池のしくみボルタ電池・ダニエル電池で、イオンと電子の動きを見よう →

    実験のあとに読む

    なぜ食塩水を電気分解しても、ナトリウムは出てこないのか

    何を比べる?

    ダニエル電池の極、負極と正極の反応と電子・電流の向き、金属の組み合わせと電圧、塩化銅と硫酸銅の電気分解、食塩水と塩化銅水溶液の陰極を比べます。

    結果をどう考える?

    陰極では、電子を受け取りやすいものから反応します。Na⁺ はイオン化傾向がとても大きく、電子を受け取って金属にもどろうとしません。水溶液には水分子がたくさんあるので、Na⁺ の代わりに水が電子を受け取り、水素が発生します。ナトリウムを取り出すには、水のない融解した NaCl を電気分解します(溶融塩電解)。

    まちがえやすい点・モデルの条件

    「水溶液を電気分解すると、陽イオンの金属が陰極に必ず出る」はまちがいです。Cu²⁺ や Ag⁺ は金属が出ますが、K⁺・Na⁺・Al³⁺ などは出ずに水素が発生します。

    制作:現役の理科教員 / 制作の考え方