化学基礎|物質の構成(6)イオンとイオン結合
原子は、貴ガスと同じ形になろうとしてイオンになる
原子は、貴ガスと同じ安定な電子配置になるように電子をやりとりして、陽イオンや陰イオンになります。陽イオンと陰イオンが引き合ってできるのがイオン結合です。中学のふり返りから始めて、予想してから5つのステップで確かめよう。
ことばの準備
さきに知っておくこと
- イオン電気を帯びた原子(または原子の集まり)
- 陽イオン・陰イオン電子を失った + のイオンが陽イオン、電子を受け取った − のイオンが陰イオン
- 価数イオンの電荷の大きさ。Mg²⁺ は 2 価の陽イオン
- 電離物質が水にとけて、陽イオンと陰イオンに分かれること
- 静電気力(クーロン力)+ と − の電気が引き合う力
- 組成式物質をつくるイオンなどの数の比を、最も簡単な整数で表した式
ステップ1
食塩水の中は、どうなっている?
予想:塩化ナトリウム(食塩)を水にとかした。水の中で NaCl はどうなっている?
紫系=陽イオン、緑・赤=陰イオン。電子殻のモデル:赤=最外殻の電子、緑=受け取る電子。
予想を選ぶと、ここで条件を変えられるようになります。
ためしてみよう
ここが大事
ステップのまとめ
イオンとイオン結合のまとめ
| ことば | ことばで言うと |
|---|---|
| 陽イオン | 電子を失ってできる + のイオン(Na⁺・Mg²⁺・Al³⁺)。価電子が少ない原子 |
| 陰イオン | 電子を受け取ってできる − のイオン(Cl⁻・O²⁻)。価電子が多い原子 |
| イオン結合 | 陽イオンと陰イオンが静電気力で引き合う結合 |
| 組成式 | 電気が 0 になる最も簡単な数の比(NaCl・MgCl₂・Al₂O₃) |
| イオン結晶 | 融点が高い・かたいがもろい・固体は電気を通さず、融解液や水溶液は通す |
この図は理解のためのモデルです。イオンの大きさや結晶の並び方は単純にしています。
公式
この単元の式
| 名前 | 式 | ことばで言うと・単位 |
|---|---|---|
| イオンのでき方 | Na → Na⁺ + e⁻ | 電子を失うと陽イオンCl + e⁻ → Cl⁻(受け取ると陰イオン) |
| 組成式の作り方 | (陽イオンの価数)×(個数)=(陰イオンの価数)×(個数) | + と − の合計を同じにするMg²⁺ と Cl⁻ → MgCl₂ |
| 名前のつけ方 | 陰イオン → 陽イオンの順に読む | MgCl₂ = 塩化マグネシウム「〜化物イオン」の「物イオン」を取る |
組成式は陽イオンを先、陰イオンを後に書き、名前は陰イオンから読む(NaCl:塩化ナトリウム)。
重要語句
この単元でおさえること
確認問題へ問題ページへ →実験道具:電離のようす物質が水にとけてイオンに分かれるようすを調べよう →実験のあとに読む
なぜ固体の食塩は電気を通さないのか
何を比べる?
水溶液の中の NaCl、原子ごとのイオンのでき方、陽イオンと陰イオンの組み合わせと組成式、固体・融解液・水溶液の NaCl の電気の通し方、結晶の見る範囲を比べます。
結果をどう考える?
電流が流れるには、電気を帯びた粒が動ける必要があります。イオン結晶の中のイオンは、まわりのイオンと強く引き合って決まった位置に固定されているので動けません。加熱してとかしたり水にとかしたりすると、イオンが自由に動けるようになり、電気を通します。
まちがえやすい点・モデルの条件
「NaCl という分子がある」はまちがいです。イオン結晶には区切りのある分子がなく、NaCl は Na⁺ と Cl⁻ の数の比(1:1)を表す組成式です。
制作:現役の理科教員 / 制作の考え方