化学基礎|酸と塩基(4)中和滴定
中和を使って、分からない濃度を調べる
中和滴定は、濃度の分かっている塩基(または酸)を少しずつ加え、ちょうど中和するまでに使った体積から、分からない酸(または塩基)の濃度を求める実験です。予想してから5つのステップで確かめよう。
ことばの準備
さきに知っておくこと
- 滴定濃度の分かった溶液を少しずつ加えて、反応する量をはかる実験
- 標準溶液濃度が正確に分かっている溶液
- 終点指示薬の色が変わり、滴定をやめる点。中和点とほぼ同じ
- 変色域指示薬の色が変わる pH の範囲
- フェノールフタレインpH 8.0〜9.8 で無色 → 赤色
- メチルオレンジpH 3.1〜4.4 で赤色 → 黄色
ステップ1
決まった体積を正確にとる器具は?
予想:濃度を調べたい酸の水溶液を、ちょうど 10.0 mL 正確にはかりとりたい。使う器具は?
ピンク=フェノールフタレインの赤色。グラフの青=塩酸、橙=酢酸の滴定曲線。帯=指示薬の変色域。
予想を選ぶと、ここで条件を変えられるようになります。
ためしてみよう
ここが大事
ステップのまとめ
中和滴定のまとめ
| ことば | ことばで言うと |
|---|---|
| ホールピペット | 決まった体積を正確にはかりとる |
| ビュレット | 滴下した体積を目もりで読む |
| 濃度の計算 | a × c × V = b × c′ × V′ |
| 滴定曲線 | 中和点の近くで pH が急に変わる(pH ジャンプ) |
| 指示薬 | 変色域が pH ジャンプの中にあるものを選ぶ |
この図は理解のためのモデルです。滴定曲線は 0.10 mol/L の酸 10 mL に 0.10 mol/L NaOH を加えたときの計算値です。
公式
この単元の式
| 名前 | 式 | ことばで言うと・単位 |
|---|---|---|
| 濃度の計算 | a × c × V = b × c′ × V′ | H⁺ の量 = OH⁻ の量1 × c × 10.0 = 1 × 0.10 × 8.0 → c = 0.080 |
| うすめた溶液 | もとの濃度 = 求めた濃度 × うすめた倍率 | 10 倍にうすめたなら 10 倍する食酢を 10 倍にうすめた → 0.080 × 10 = 0.80 mol/L |
| 指示薬の選び方 | 変色域 ⊂ pH ジャンプ | 急に変わる範囲で色が変わるもの弱酸+強塩基 → フェノールフタレイン |
ホールピペットとビュレットは中の液で共洗いしてから使う。コニカルビーカーとメスフラスコは水でぬれたまま使ってよい。
重要語句
この単元でおさえること
確認問題へ問題ページへ →実験道具:中和とイオンの数加えた塩基の量とイオンの数の関係を調べよう →実験のあとに読む
なぜ指示薬で中和点が分かるのか
何を比べる?
滴定の器具、NaOH の滴下量とフェノールフタレインの色、滴下量と濃度、強酸と弱酸の滴定曲線、2 つの指示薬の変色域を比べます。
結果をどう考える?
中和点の近くでは、たった 1 滴(約 0.05 mL)で pH が何も変わるほど急に変化します。変色域がこの急な変化の中にある指示薬を使えば、色が変わった瞬間がほぼ中和点になります。変色域が外れた指示薬では、中和点よりずっと前(または後)に色が変わってしまいます。
まちがえやすい点・モデルの条件
「指示薬はどれを使っても同じ」はまちがいです。弱酸と強塩基の滴定でメチルオレンジを使うと、中和点よりずっと前に色が変わってしまいます。
制作:現役の理科教員 / 制作の考え方