物理基礎|運動の表し方(2)等加速度直線運動
速度が「1 秒にどれだけ変わるか」で、運動がわかる
速度が一定の割合で変わる運動が「等加速度直線運動」です。「1 秒に何 m/s 増えるか」(加速度)から始めて、式 v = v₀ + at を自分で作り、v–tグラフの面積で進んだ距離を求めるところまで、予想してから5つのステップで確かめよう。計算は「式 → 数を入れる → 答え」の順に出ます。
ことばの準備
さきに知っておくこと
- 加速度「1 秒あたり、速度が何 m/s 変わるか」。単位は m/s²(メートル毎秒毎秒)
- v₀(ブイゼロ)「はじめの速度」のこと。0 は「はじめ(t = 0)」の意味
- v–tグラフ横が時間 t、縦が速度 v のグラフ。傾き = 加速度、下の面積 = 進んだ距離
- 等加速度加速度が一定(ずっと同じ割合で速度が変わる)という意味
- 加速度が負「進む向きと逆向きの加速度」の意味。必ず遅くなるとは限らない(ステップ5)
- ½at²「½ × a × t × t」。グラフの三角形の面積(底辺 t、高さ at)
ステップ1
「加速度」ってなに?
予想:台車の速度が、はじめ 2 m/s で、4 秒後に 6 m/s になった。1 秒あたり、速度は何 m/s ずつ増えた?
予想を選ぶと、ここで条件を変えられるようになります。
ためしてみよう
ここが大事
ステップのまとめ
等加速度直線運動のまとめ
| ことば・式 | ことばで言うと | v–tグラフでは |
|---|---|---|
| 加速度 a | 1 秒あたりの速度の変化。単位 m/s² | 直線の傾き |
| v = v₀ + at | あとの速度 = はじめの速度 +(1 秒あたりの増え方 × 秒数) | 直線そのもの |
| x = v₀t + ½at² | 進んだ距離 = 長方形(v₀ × t)+ 三角形(½ × t × at) | 直線の下の面積 |
| 減速 | 加速度が速度と逆向き。「止まる」は v = 0 とおく | 右下がりの直線 |
速くなるか遅くなるかは「加速度と速度が同じ向きか逆向きか」で決まる。加速度の符号だけでは決まらない。
この図は理解のためのモデルです。摩擦や空気抵抗は考えず、加速度は一定としています。
公式
この単元の式
| 名前 | 式 | ことばで言うと・単位 |
|---|---|---|
| 加速度 | a = Δv / Δt | 速度の変化 ÷ かかった時間「1 秒あたりの速度の変化」。単位 m/s²。v–tグラフの傾き |
| 速度 | v = v0 + at | あとの速度 = はじめの速度 + 増えた分増えた分 = 1 秒あたりの増え方 a × 秒数 t。単位 m/s |
| 変位 | x = v0t + ½at2 | 進んだ距離 = 長方形 + 三角形v–tグラフの下の面積。長方形 v₀t(ずっと v₀ の分)+ 三角形 ½at²(速くなった分)。単位 m |
| 時間を消した式 | v2 − v02 = 2ax | 時間がわからないときの式上の 2 つの式から t を消したもの。「速度と距離」だけがわかっているときに使う |
どの式も「1 秒あたり a ずつ変わる」から出てくる。式を丸暗記するより、v–tグラフの「傾き」と「面積」で思い出す。
重要語句
この単元でおさえること
確認問題へ問題ページへ →実験道具:車の運動と記録タイマー坂の角度や摩擦を変えて、テープのグラフから加速度を読み取ろう →実験のあとに読む
なぜ「傾き」と「面積」で運動がわかるのか
何を比べる?
加速度を 0・1・2 m/s² に変えたときの、1 秒ごとの速度の増え方と、v–tグラフの傾きを比べます。同じ加速度で走る時間を変えたときの、面積(進んだ距離)の増え方を比べます。
結果をどう考える?
加速度が一定なら、速度は毎秒同じだけ増えるので、v–tグラフは直線になります。直線の傾きが「1 秒あたりの増え方」=加速度です。進んだ距離は「速度 × 時間」ですが、速度が変わっていくので、グラフを細かく区切って「速度 × 短い時間」を足し合わせる、と考えると、それはグラフの下の面積になります。だから面積 = 進んだ距離です。
まちがえやすい点・モデルの条件
「加速度が負」は「遅くなる」とは限りません。−の向きに動いている物体に−の加速度がはたらくと、−の向きにどんどん速くなります。速くなるか遅くなるかは「加速度と速度の向きが同じか逆か」で決まります。
制作:現役の理科教員 / 制作の考え方