物理基礎|電気(1)静電気と電流
電流は「1 秒に通る電気の量」、動いているのは電子
物体が電気を帯びるのは、電子が移動するからです。電気の量は C(クーロン)で表し、1 秒間に通る電気の量が電流です。中学のふり返りから始めて、予想してから5つのステップで確かめよう。
ことばの準備
さきに知っておくこと
- 電子原子の中にある、負(−)の電気をもった小さな粒。金属の中を動き回れる
- 帯電物体が電気を帯びること。電子が多いと負、少ないと正
- C(クーロン)電気量の単位
- 電気素量 e電子 1 個がもつ電気量の大きさ。e = 1.6×10⁻¹⁹ C
- A(アンペア)電流の単位。1 A = 1 秒に 1 C の電気が通る
- 断面導線を輪切りにした面。電流はここを 1 秒に通る電気量
ステップ1
こすると、なぜ電気を帯びる?
予想:ストローをティッシュでこすると、ストローが負(−)に帯電した。このとき、何が移動した?
赤い+=正の電気(原子核)、青い−=電子。電気素量 e = 1.6×10⁻¹⁹ C。
予想を選ぶと、ここで条件を変えられるようになります。
ためしてみよう
ここが大事
ステップのまとめ
静電気と電流のまとめ
| ことば・式 | ことばで言うと |
|---|---|
| 帯電 | 電子の移動。電子を受け取ると負、失うと正 |
| 電気量 q [C] | 電気の量。電子 1 個は −e(e = 1.6×10⁻¹⁹ C) |
| 電流 I = q / t | 1 秒間に導線の断面を通る電気量。単位 A = C/s |
| I = Ne | 1 秒に N 個の電子が通るときの電流 |
| 向き | 電流は +極 → −極、電子はその逆(−極 → +極) |
この図は理解のためのモデルです。電子の数や動く速さは見やすいように大きく変えています(実際の電子は導線の中をとてもゆっくり進みます)。
公式
この単元の式
| 名前 | 式 | ことばで言うと・単位 |
|---|---|---|
| 電流 | I = q / t | 電流 = 電気量 ÷ 時間単位 A = C/s |
| 電気量 | q = It | 電気量 = 電流 × 時間単位 C |
| 電子の数と電流 | I = Ne | 電流 = 1 秒に通る電子の数 × 電気素量e = 1.6×10⁻¹⁹ C |
電気量は e の整数倍。電子の数の計算では、10 の何乗かを落とさないように指数をていねいに計算する。
重要語句
この単元でおさえること
確認問題へ問題ページへ →実験道具:回路づくり電池・電球・導線をつないで、電流の流れを調べよう →実験のあとに読む
なぜ電流の向きと電子の向きは逆なのか
何を比べる?
こすって移る電子の数、余分な電子の数と電気量、2 秒間に通る電気量と電流、1 秒に通る電子の数と電流、電池の向きと電流・電子の向きを比べます。
結果をどう考える?
電流の向きは、電子が発見されるより前に「+極から−極へ流れる」と決められました。あとで、金属の中で実際に動いているのは負の電子だと分かりましたが、約束はそのまま使われています。負の粒が右へ動くことは、正の電気が左へ動くことと同じ効果なので、計算上は困りません。
まちがえやすい点・モデルの条件
「電流 = 電子の流れの向き」と考えるまちがいが多いです。電流の向きは + → −、電子はその逆です。また、帯電で動くのは電子だけで、+の電気(原子核)は動きません。
制作:現役の理科教員 / 制作の考え方