生物基礎|生物の多様性と生態系(2)バイオーム
どんな植生になるかは、気温と降水量で決まる
気候に応じて決まる植生と、そこにすむ生物全体のまとまりをバイオームといいます。年平均気温と年降水量が分かれば、どんなバイオームになるかが分かります。予想してから5つのステップで確かめよう。
ことばの準備
さきに知っておくこと
- バイオーム気候に応じて決まる植生と、そこにすむ生物のまとまり
- 照葉樹林葉が厚くつやのある常緑広葉樹の森林(スダジイ・タブノキ)
- 夏緑樹林冬に葉を落とす落葉広葉樹の森林(ブナ・ミズナラ)
- 針葉樹林寒い地域の針のような葉の木の森林(エゾマツ・トドマツ)
- 水平分布緯度(南北)による植生の分布
- 垂直分布標高による植生の分布。森林限界より上は高山帯
ステップ1
暑くて雨の多い地域の植生は?
予想:年平均気温 27 ℃・年降水量 3000 mm の A 地点。どんな植生になる?
色の区画=バイオーム、赤い点=調べる場所。緑が濃いほど森林、黄色は草原や砂漠。
予想を選ぶと、ここで条件を変えられるようになります。
ためしてみよう
ここが大事
ステップのまとめ
バイオームのまとめ
| 主なバイオーム | |
|---|---|
| 森林(雨が多い) | 熱帯多雨林・亜熱帯多雨林・雨緑樹林・照葉樹林・硬葉樹林・夏緑樹林・針葉樹林 |
| 草原(雨が中くらい) | サバンナ(熱帯)・ステップ(温帯) |
| 荒原(雨が少ない・寒い) | 砂漠・ツンドラ |
| 日本の水平分布 | 亜熱帯多雨林 → 照葉樹林 → 夏緑樹林 → 針葉樹林(南 → 北) |
| 日本の垂直分布 | 丘陵帯 → 山地帯 → 亜高山帯 → 森林限界 → 高山帯 |
この図は理解のためのモデルです。バイオームの境目は目安で、実際にはなだらかに移り変わります。
公式
この単元の式
| 名前 | 式 | ことばで言うと・単位 |
|---|---|---|
| 決まり方 | 年平均気温 × 年降水量 → バイオーム | 暑さと雨の量雨が多い → 森林、少ない → 草原・荒原 |
| 気温の下がり方 | 標高 100 m で約 0.6 ℃ 下がる | 山を登ると北へ行くのと同じ1000 m で約 6 ℃ |
| 日本の植生 | 雨が多い → 極相はどこも森林 | 南北・高さで森林の種類が変わる暖かさの指数で区分することもある |
日本は降水量が多いので、水平分布も垂直分布も「森林の種類」が変わる。草原は人の管理で保たれる。
重要語句
この単元でおさえること
確認問題へ問題ページへ →実験道具:葉のはたらき植物の育ち方を決める光合成・蒸散を調べよう →実験のあとに読む
なぜ山を登ると、北へ行くのと同じように植生が変わるのか
何を比べる?
暑くて雨の多い地域、世界のいろいろな場所、日本の南北、山の標高、日本とモンゴルを比べます。
結果をどう考える?
植物の育ち方を大きく左右するのは気温と水です。日本はどこでも雨が多いので、植生のちがいは主に気温で決まります。北へ行くほど気温が下がるのと同じように、標高が 100 m 上がるごとに気温は約 0.6 ℃ 下がります。だから山を登ると、照葉樹林 → 夏緑樹林 → 針葉樹林と、北へ向かうのと同じ順に植生が変わります。
まちがえやすい点・モデルの条件
「日本の低地も、放っておけば草原が広がる」はまちがいです。日本は降水量が多いので、遷移が進んで森林になります。日本の草原の多くは人の手で保たれてきました。
制作:現役の理科教員 / 制作の考え方