生物基礎|遺伝子とそのはたらき(3)遺伝情報の発現
DNA の情報は、RNA に写され、タンパク質に翻訳される
DNA にある遺伝子の情報は、RNA に写しとられ(転写)、その RNA の情報をもとにアミノ酸がつながってタンパク質ができます(翻訳)。これを遺伝子の発現といいます。中学のふり返りから始めて、予想してから5つのステップで確かめよう。
ことばの準備
さきに知っておくこと
- RNAリボ核酸。糖はリボース、塩基は A・U・G・C
- mRNA伝令 RNA。DNA の情報を写しとってリボソームへ運ぶ
- ウラシル(U)RNA だけにある塩基。A と対になる
- コドンアミノ酸を指定する mRNA の 3 つの塩基の並び
- リボソーム翻訳を行い、アミノ酸をつなぐ場所
- 遺伝子の発現遺伝子の情報からタンパク質がつくられること
ステップ1
タンパク質を消化すると?
予想:タンパク質は消化されると、最終的に何になる?
塩基の色:赤=A、黄=T、緑=G、青=C、紫=U。紫の枠=コドン(3 塩基)。
予想を選ぶと、ここで条件を変えられるようになります。
ためしてみよう
ここが大事
ステップのまとめ
遺伝情報の発現のまとめ
| ことば | ことばで言うと |
|---|---|
| 転写 | DNA の塩基配列を mRNA に写しとる(T の代わりに U) |
| 翻訳 | mRNA のコドン(3 塩基)ごとにアミノ酸をつなぐ |
| セントラルドグマ | DNA → RNA → タンパク質 と情報が流れる |
| RNA と DNA | RNA:糖はリボース、塩基は A・U・G・C、ふつう 1 本鎖 |
| 分化 | 同じ DNA でも、細胞ごとに発現する遺伝子がちがう |
この図は理解のためのモデルです。アミノ酸の名前は省略形(Met など)で表しています。
公式
この単元の式
| 名前 | 式 | ことばで言うと・単位 |
|---|---|---|
| 転写の対応 | DNA の A・T・G・C → RNA の U・A・C・G | T の代わりに UTAC → AUG |
| 翻訳 | アミノ酸の数 = 塩基の数 ÷ 3 | 3 塩基で 1 つ4³ = 64 通りのコドンで 20 種類のアミノ酸 |
| セントラルドグマ | DNA →(転写)→ RNA →(翻訳)→ タンパク質 | 情報は一方向転写は核、翻訳はリボソーム |
コドン AUG は翻訳の開始の合図(メチオニン)、UAA・UAG・UGA は終わりの合図(アミノ酸を指定しない)。
重要語句
この単元でおさえること
確認問題へ問題ページへ →実験道具:消化 RPGタンパク質がアミノ酸に分解されるようすを確かめよう →実験のあとに読む
なぜ 3 つの塩基で 1 つのアミノ酸なのか
何を比べる?
タンパク質の消化、DNA と mRNA の塩基、mRNA の長さとアミノ酸の数、遺伝情報の流れ、細胞ごとにはたらく遺伝子を比べます。
結果をどう考える?
アミノ酸は 20 種類あります。塩基は 4 種類なので、1 つの塩基では 4 通り、2 つでも 4 × 4 = 16 通りしか区別できず、20 種類に足りません。3 つの塩基なら 4 × 4 × 4 = 64 通りになり、20 種類のアミノ酸と開始・終止の合図を十分に指定できます。
まちがえやすい点・モデルの条件
「すい臓の細胞と皮膚の細胞は、ちがう DNA をもつ」はまちがいです。体の細胞はどれも同じ DNA をもち、はたらく遺伝子がちがうことで、ちがう細胞になっています。
制作:現役の理科教員 / 制作の考え方