生物基礎|遺伝子とそのはたらき(4)ゲノムと遺伝子
ゲノムは遺伝情報の 1 セット。遺伝子はその中のごく一部
生物が生きるのに必要な遺伝情報の 1 セットをゲノムといいます。ヒトのゲノムは約 30 億塩基対ですが、タンパク質を指定する遺伝子の部分はそのごく一部です。中学のふり返りから始めて、予想してから5つのステップで確かめよう。
ことばの準備
さきに知っておくこと
- ゲノムその生物に必要な遺伝情報 1 セット。DNA の全塩基配列
- 遺伝子タンパク質などをつくる情報をもつ DNA の部分
- 塩基対DNA の大きさの単位。A-T、G-C の 1 組
- 相同染色体形と大きさが同じで、同じ遺伝子をもつ染色体の対
- 体細胞体をつくる細胞(卵・精子以外)
- ヒトゲノム計画ヒトのゲノムの全塩基配列を読む計画(2003 年に完了)
ステップ1
遺伝子はどこにある?
予想:遺伝子は、細胞のどこにある?
染色体の赤=母親由来、青=父親由来。帯の赤=タンパク質を指定する部分。
予想を選ぶと、ここで条件を変えられるようになります。
ためしてみよう
ここが大事
ステップのまとめ
ゲノムと遺伝子のまとめ
| ことば | ことばで言うと |
|---|---|
| ゲノム | 生きるのに必要な遺伝情報 1 セット(ヒト 約 30 億塩基対) |
| 遺伝子 | タンパク質などの情報をもつ DNA の部分(ヒト 約 2 万) |
| 遺伝子の割合 | アミノ酸配列を指定する部分はヒトゲノムの約 1.5 % |
| 相同染色体 | 母方・父方から 1 本ずつの、同じ形の染色体の対 |
| セット数 | 体細胞はゲノム 2 セット(46 本)、卵・精子は 1 セット(23 本) |
この図は理解のためのモデルです。染色体の形や並び、帯の中の位置は単純にしています。
公式
この単元の式
| 名前 | 式 | ことばで言うと・単位 |
|---|---|---|
| ヒトのゲノム | 約 30 億塩基対・遺伝子 約 2 万 | 1 セットの大きさ体細胞の DNA は 2 セットで約 60 億塩基対 |
| 染色体の数 | 体細胞 2n = 46、卵・精子 n = 23 | n は 1 セット分の数相同染色体は 23 対 |
| 遺伝子の割合 | タンパク質を指定する部分 約 1.5 % | ゲノムのごく一部残りは調節領域など |
ゲノムの大きさ・遺伝子の数・染色体の数は、生物の複雑さとは比例しない。
重要語句
この単元でおさえること
確認問題へ問題ページへ →実験道具:メンデルの法則対になった遺伝子が、子にどう受けつがれるか調べよう →実験のあとに読む
なぜ体細胞にはゲノムが 2 セットあるのか
何を比べる?
染色体と遺伝子、生物ごとのゲノムの大きさ、ゲノムの中の遺伝子の部分、体細胞と卵・精子の染色体、ゲノムの大きさと生物を比べます。
結果をどう考える?
卵と精子は、それぞれゲノムを 1 セットずつもっています。受精すると 2 つが合わさり、母親由来と父親由来のゲノムを 1 セットずつ、合わせて 2 セットもつ受精卵になります。受精卵が体細胞分裂をくり返して体ができるので、体細胞はどれも 2 セットのゲノムをもちます。
まちがえやすい点・モデルの条件
「ゲノムが大きい生物ほど体のつくりが複雑」はまちがいです。パンコムギのゲノムはヒトの約 5 倍もあります。
制作:現役の理科教員 / 制作の考え方