化学基礎|物質の構成(7)共有結合と分子
非金属の原子は、電子を「共有」して結びつく
非金属元素の原子どうしは、電子をやりとりするのではなく、出し合って共有することで結びつきます(共有結合)。共有の仕方から分子の形や性質が決まります。中学のふり返りから始めて、予想してから5つのステップで確かめよう。
ことばの準備
さきに知っておくこと
- 共有結合原子どうしが電子を出し合って共有する結合。非金属元素どうしで多い
- 分子いくつかの原子が共有結合でまとまった粒子
- 不対電子対になっていない価電子。共有結合に使われる
- 電子式元素記号のまわりに価電子を点で書いた式
- 原子価原子がつくる共有結合(価標)の数。H 1、O 2、N 3、C 4
- 電気陰性度原子が共有電子対を引きつける強さ。F が最大
ステップ1
水分子の H と O は、どう結びついている?
予想:水分子 H₂O の水素原子と酸素原子は、どのように結びついている?
白=H、赤=O、灰=C、青=N、緑=Cl。点は価電子、赤い楕円は共有電子対。δ+・δ− は電荷のかたより。
予想を選ぶと、ここで条件を変えられるようになります。
ためしてみよう
ここが大事
ステップのまとめ
共有結合と分子のまとめ
| ことば | ことばで言うと |
|---|---|
| 共有結合 | 非金属の原子どうしが価電子を出し合って共有する結合 |
| 共有電子対 | 2 原子が共有する 1 組(2 個)の電子 |
| 構造式 | 共有電子対 1 組を線 1 本で表す。原子価:H 1・O 2・N 3・C 4 |
| 極性分子・無極性分子 | 電荷のかたよりが残れば極性(H₂O・NH₃)、打ち消せば無極性(CO₂・CH₄) |
| 分子結晶 | 分子が分子間力で集まる。融点が低い(ドライアイス・ヨウ素) |
| 共有結合の結晶 | 原子が共有結合で全体につながる。融点がとても高い(ダイヤモンド・SiO₂) |
この図は理解のためのモデルです。原子の大きさ・結合の長さ・角度は単純にしています。
公式
この単元の式
| 名前 | 式 | ことばで言うと・単位 |
|---|---|---|
| 原子価 | H 1・O 2・N 3・C 4 | 原子がもつ「手」の数構造式で、すべての手を使い切るように線を引く |
| 結合の種類 | 単結合 −、二重結合 =、三重結合 ≡ | 共有電子対 1・2・3 組O₂:O=O、N₂:N≡N、CO₂:O=C=O |
| 電気陰性度の大小 | F > O > N ≒ Cl > C > H | 大きい方に電子がかたよる(δ−)希ガスは考えない |
極性は「結合のかたより」と「分子の形」の 2 つで決まる。形で打ち消されれば無極性。
重要語句
この単元でおさえること
確認問題へ問題ページへ →実験道具:電離のようすイオン結合の物質と分子の物質の、水へのとけ方を比べよう →実験のあとに読む
なぜ同じ「共有結合」なのに、とけやすさがちがうのか
何を比べる?
水分子の結びつき、H₂ と Cl₂ の共有電子対、分子ごとの構造式、CO₂ と H₂O の極性、ダイヤモンドとドライアイスの温めたときのようすを比べます。
結果をどう考える?
ドライアイス(分子結晶)が低い温度で気体になるとき、切れるのは分子と分子の間の弱い力(分子間力)だけで、分子の中の共有結合はそのままです。一方、ダイヤモンド(共有結合の結晶)は全体が共有結合でつながっているので、とかすには強い共有結合そのものを切る必要があり、融点がとても高くなります。
まちがえやすい点・モデルの条件
「共有結合でできた物質は、どれも融点が低い」はまちがいです。分子結晶は低いですが、共有結合の結晶(ダイヤモンド・二酸化ケイ素など)は非常に高い融点をもちます。
制作:現役の理科教員 / 制作の考え方