化学基礎|酸と塩基(3)中和反応
中和では、H⁺ と OH⁻ が同じ数だけ反応する
中和は、酸の H⁺ と塩基の OH⁻ が出会って水になる反応です。高校では価数と物質量を使って「どれだけ加えればちょうど中和するか」を計算できるようになります。中学のふり返りから始めて、予想してから5つのステップで確かめよう。
ことばの準備
さきに知っておくこと
- 中和酸と塩基が反応して、たがいの性質を打ち消し合う反応
- 塩(えん)中和で、酸の陰イオンと塩基の陽イオンが結びついてできる物質
- 中和点酸と塩基が過不足なく反応した点
- 価数酸 1 つが出せる H⁺、塩基 1 つが出せる OH⁻ の数
- 物質量粒子の数を mol で表した量。溶液なら濃度 × 体積〔L〕
- 液性水溶液が酸性・中性・塩基性のどれか
ステップ1
H⁺ と OH⁻ が出会うと?
予想:酸の H⁺ と塩基の OH⁻ が出会うと、何ができる?
赤=H⁺、青=OH⁻、緑=Cl⁻、紫=Na⁺・Ca²⁺、黄=SO₄²⁻。
予想を選ぶと、ここで条件を変えられるようになります。
ためしてみよう
ここが大事
ステップのまとめ
中和反応のまとめ
| ことば | ことばで言うと |
|---|---|
| 中和 | H⁺ + OH⁻ → H₂O。酸と塩基が性質を打ち消し合う |
| 中和の反応式 | H⁺ と OH⁻ の数がそろうように係数をつける(H₂SO₄ + 2NaOH) |
| 量的関係 | 酸の価数 × 酸の mol = 塩基の価数 × 塩基の mol |
| イオンの数 | H⁺ は減って 0、加えた陽イオンは増え続け、中和点後に OH⁻ が増える |
| 中和点 | 過不足なく反応した点。中性とは限らない |
この図は理解のためのモデルです。イオンの数は分かりやすい数にしています。
公式
この単元の式
| 名前 | 式 | ことばで言うと・単位 |
|---|---|---|
| 中和の量的関係 | a × n = b × n′ | H⁺ の mol = OH⁻ の mola・b は価数、n・n′ は酸・塩基の物質量 |
| 溶液どうし | a × c × V = b × c′ × V′ | 価数 × 濃度 × 体積体積は両辺とも mL のままでよい |
| 反応式の例 | H₂SO₄ + 2NaOH → Na₂SO₄ + 2H₂O | 2 価の酸に 1 価の塩基は 2 倍HCl + NaOH → NaCl + H₂O |
中和の計算は「H⁺ と OH⁻ の数(mol)が等しい」で考える。価数をかけ忘れないこと。
重要語句
この単元でおさえること
確認問題へ問題ページへ →実験道具:中和とイオンの数酸に塩基を加えていくとき、イオンの数がどう変わるか調べよう →実験のあとに読む
なぜ中和点は中性とは限らないのか
何を比べる?
H⁺ と OH⁻ の出会い、硫酸と 1 価・2 価の塩基、硫酸の体積と必要な NaOH、加えた NaOH とイオンの数、中和点の水溶液の色を比べます。
結果をどう考える?
中和点は、酸の H⁺ と塩基の OH⁻ がちょうど同じ数だけ反応した点です。そこには塩の水溶液が残ります。酢酸と NaOH の中和でできる酢酸ナトリウムは、水の中で酢酸イオンが水から H⁺ を少し受け取って OH⁻ を生じるので、水溶液は弱い塩基性になります。
まちがえやすい点・モデルの条件
「ちょうど中和したら、水溶液は必ず中性」はまちがいです。中性になるのは強酸と強塩基の組み合わせのときです。
制作:現役の理科教員 / 制作の考え方