化学基礎|酸と塩基(2)水素イオン濃度と pH
pH は、H⁺ のこさを「10 の何乗」で表した数
酸性・塩基性の強さは、水溶液の中の H⁺ のこさ(水素イオン濃度)で決まります。とても小さな数なので、「10 の何乗か」だけを取り出した pH で表します。中学のふり返りから始めて、予想してから5つのステップで確かめよう。
ことばの準備
さきに知っておくこと
- 水素イオン濃度水溶液 1 L にふくまれる H⁺ の物質量。[H⁺] と書く
- 10⁻³1 ÷ 1000 = 0.001。10⁻ⁿ は小数点以下 n けた目が 1
- 指示薬pH によって色が変わる薬品(BTB 液・リトマス・フェノールフタレイン)
- 水の電離水もごくわずかに H⁺ と OH⁻ に電離している
- 水のイオン積[H⁺] × [OH⁻] の値。25 ℃ で 1.0×10⁻¹⁴
- 中性[H⁺] と [OH⁻] が等しい状態。25 ℃ で pH 7
ステップ1
レモン汁に BTB 液を入れると?
予想:レモン汁(酸性)に BTB 液を入れると、何色になる?
pH のものさし:赤〜黄=酸性、緑=中性、青〜紫=塩基性。▲が今の pH。
予想を選ぶと、ここで条件を変えられるようになります。
ためしてみよう
ここが大事
ステップのまとめ
水素イオン濃度と pH のまとめ
| ことば | ことばで言うと |
|---|---|
| [H⁺] | 水素イオン濃度。H⁺ のモル濃度〔mol/L〕 |
| pH | [H⁺] = 1×10⁻ⁿ mol/L のとき pH = n |
| 水のイオン積 | [H⁺][OH⁻] = 1.0×10⁻¹⁴(25 ℃)。塩基の pH = 14 − m([OH⁻] = 10⁻ᵐ) |
| 中性 | [H⁺] = [OH⁻] = 10⁻⁷ mol/L、pH 7(25 ℃) |
| うすめる | 強酸を 10 倍うすめると pH は 1 大きくなる。ただし 7 はこえない |
この図は理解のためのモデルです。温度は 25 ℃、酸・塩基は完全に電離するとしています。
公式
この単元の式
| 名前 | 式 | ことばで言うと・単位 |
|---|---|---|
| pH | [H⁺] = 1×10⁻ⁿ mol/L → pH = n | 10 の右上の数の − を取る[H⁺] = 0.01 = 10⁻² → pH 2 |
| 水のイオン積 | [H⁺][OH⁻] = 1.0×10⁻¹⁴ | かけると必ず 10⁻¹⁴(25 ℃)[OH⁻] = 10⁻³ → [H⁺] = 10⁻¹¹ → pH 11 |
| 強酸の [H⁺] | [H⁺] = 酸の濃度 × 価数 × 電離度 | 強酸は電離度 10.005 mol/L H₂SO₄ → [H⁺] = 0.01 → pH 2 |
pH が 1 小さいと [H⁺] は 10 倍、2 小さいと 100 倍。pH 3 は pH 5 より 100 倍 H⁺ がこい。
重要語句
この単元でおさえること
確認問題へ問題ページへ →実験道具:中和とイオンの数酸と塩基を混ぜたとき、H⁺ と OH⁻ の数がどう変わるか調べよう →実験のあとに読む
なぜ pH は「10 の何乗」で表すのか
何を比べる?
水溶液ごとの BTB 液の色、[H⁺] と pH、[OH⁻] と pH、うすめた塩酸の pH、うすめ続けた塩酸の pH を比べます。
結果をどう考える?
水溶液の [H⁺] は、0.1 mol/L から 0.0000000000001 mol/L まで、とても大きな範囲で変わります。そのままでは比べにくいので、「10 の何乗か」の数だけを取り出して pH とします。pH が 1 ちがうと、H⁺ のこさは 10 倍ちがいます。
まちがえやすい点・モデルの条件
「酸を 10 倍ずつうすめれば、pH 8、9 と塩基性になる」はまちがいです。水そのものにも H⁺ が 10⁻⁷ mol/L あるので、pH は 7 に近づくだけです。
制作:現役の理科教員 / 制作の考え方