理科ラボ

物理基礎|力と運動(3)斜面上の物体

斜面の物体は、重力を「分けて」考える

斜面の上の物体には、重力と垂直抗力がはたらきます。重力を「斜面に平行な分」と「垂直な分」に分けると、垂直抗力も加速度も求められます。中学のふり返りから始めて、予想してから5つのステップで確かめよう。

ことばの準備

さきに知っておくこと

    ステップ1

    斜面に置いた物体にはたらく力は?

    予想:なめらかな斜面(摩擦なし)に置いた物体にはたらいている力は?

    赤=重力、青=垂直抗力、緑=重力の斜面に平行な分、紫=垂直な分。g = 9.8 m/s²。

    予想を選ぶと、ここで条件を変えられるようになります。

    公式

    この単元の式

    名前式ことばで言うと・単位
    平行な分mg sinθ重力のうち、斜面にそって引く分θ が大きい(急)ほど大きい。すべらせる力
    垂直な分mg cosθ重力のうち、斜面に押しつける分θ が大きいほど小さい
    垂直抗力N = mg cosθ垂直抗力 = 押しつける分(つりあい)水平な床(θ = 0)では N = mg
    加速度a = g sinθ加速度 = 9.8 × sinθma = mg sinθ の両辺の m が消える。質量によらない

    手順:①斜面に平行・垂直の向きを決める ②重力を分ける ③垂直な向きはつりあい、平行な向きは運動方程式。

    重要語句

    この単元でおさえること

    確認問題へ問題ページへ →実験道具:力の合成・分解角度を自由に変えて、力を 2 つに分ける練習をしよう →

    実験のあとに読む

    なぜ斜面の向きで分けると楽なのか

    何を比べる?

    角度を 10〜60° に変えたときの、重力の平行な分・垂直な分・加速度を比べます。質量を変えたときの垂直抗力と、2 つの質量を同時に放したときの着く時刻を比べます。

    結果をどう考える?

    物体は斜面にそってしか動けません。だから、動く向き(斜面に平行)とそれに垂直な向きで力を分けると、垂直な向きは「つりあい」、平行な向きは「運動方程式」と、別々に考えられます。重力をそのまま使うより、ずっと計算が簡単になります。

    まちがえやすい点・モデルの条件

    「斜面を下る力」という力はありません。重力を分けた一部です。力の矢印を描くときは、重力・垂直抗力(・摩擦力)だけを描き、分けた成分は点線などで区別します。

    制作:現役の理科教員 / 制作の考え方